阪神・藤浪 押し出しから走者一掃打4失点 矢野監督「悔しさ持ってやってくれている」
「中日6-2阪神」(23日、バンテリンドーム)
阪神・藤浪は思わず天を仰ぎ、両手を膝につけてがっくりとうなだれた。2-2の七回2死満塁。あと1死というところでビシエドにフルカウントから押し出し四球を献上し、勝ち越し点を奪われた。大興奮の竜党でバンテリンドームが沸く。そして、悪夢は続いた。
堂上に対する3球目。渾身(こんしん)の154キロ直球を右中間にはじき返され、さらに3点を失った。三塁ベンチで見守っていた矢野監督が腰を上げ、交代を告げる。背番号19は険しい表情でグラウンドを後にし、自責の念にかられた。
蓄積疲労の岩崎に代わって4日に1軍昇格。勝ちパターンの一角として“八回の男”を任された試合もあったが、これで3試合連続失点。この日も崩れ、今季2敗目を喫した。
指揮官は「勝負にいった中での結果なので、使っている俺の責任として受け止めている」と話した。それでも堂上に3点二塁打を浴びた後、すぐバックアップに回った右腕に一筋の光を感じた矢野監督。「悔しさを持ってやってくれている」と逆襲に期待を寄せた。
八回の岩崎、九回のスアレスと鉄壁の2人が君臨しているだけに、指揮官は「誰か出てきてほしい部分」と“七回の男”を求めている。首位を堅守するために必要不可欠なピース。まだ藤浪に名誉挽回のチャンスはある。