【岡田彰布氏の眼】勝因は二回の攻撃 佐藤輝ヘッドスライディングは注意を
「阪神6-1ソフトバンク」(4日、甲子園球場)
阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏が4日、甲子園で行われた阪神-ソフトバンク戦を視察した。二回に近本の2点適時打を生んだ下位打線のつながりを勝因と分析。一方で六回に佐藤輝がヘッドスライディングで二盗を成功させた場面には「注意しないといけない」と指摘した。
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阪神打線はソフトバンクの石川を序盤で攻略した。初回の2点も価値あるものだったが、流れの上で大きかったのは二回の2点だろう。ポイントは2死二、三塁で1番の近本に回せたことだ。
先頭・佐藤輝のラッキーな二塁打が起点となったが、続く梅野は空振り三振。ここで8番、9番と打ち取られれば試合展開が重くなるところ。それでも次打者・中野が粘って四球を選び、1死一、二塁としたことで青柳に送りバントをさせられる状況になった。
青柳もしっかりと走者を送り、第1打席でいいヒットを打っていた近本が初球の甘い球を捉えた。初回の2点だけでゲームが進んでいくのと、4点のリードを持つのでは大きく違う。下位打線がつながり、早い段階で追加点を奪えたことで、主導権を引き寄せることができたと言える。
ただ注意しなければいけないのは、六回に佐藤輝が二盗を試みた際、ヘッドスライディングをしたこと。やや危ないシーンにも見えたように、頭から行くと手や肩を痛めてしまう危険性がある。実際に今季は巨人・坂本がヘッドスライディングで負傷しているように、ここで故障離脱となれば、チームにとっても大きな痛手だ。
だから盗塁する際は絶対に足から滑るようにしないといけない。そして是が非でも6点目を奪いに行くためのスチールが必要な試合展開だったかと言えば、そうではない。開幕からこれだけの成績を残してきているだけに、こういうところで故障すると本人にとっても非常にもったいない。これから気をつけていってほしい。