阪神 代走・熊谷“神走塁” ど根性初球盗塁!TD2000試合目価値あるドロー
「阪神4-4中日」(11日、甲子園球場)
今年はしぶといで!!阪神の熊谷敬宥内野手(25)が“神走塁”で価値ある引き分けへ導いた。1点を追う七回2死一塁で代走起用されると初球に二盗を決め、糸原の適時打で本塁にヘッドスライディングで生還。中日戦通算2000試合の節目で、伏兵が敗戦を阻止した。有観客試合再開となる12日・中日戦(甲子園)で3連勝へ仕切り直す。
有観客だったなら、拍手喝采が降り注いでいたに違いない。華麗なヘッドスライディングで熊谷が同点のホームへと生還すると“矢野ガッツ”を決めた指揮官を筆頭に、阪神ベンチは沸きに沸いた。
1点を追う七回は、この回から登板した祖父江の前に梅野、中野が倒れて、あっさり2死に。代打・原口が遊撃への内野安打で出塁すると“本日のヒーロー”と言っても過言ではない熊谷が代走で登場した。
中日ベンチはここで投手を左腕・福へとスイッチ。その初球だ。迷わずスタートを切る。「僕の武器というか、そういうところをしっかり試合の中で出せたのは良かった」。勇気ある二盗を見事に決め、今季は4度盗塁を仕掛けて4度成功となった。これで終わらない。足のスペシャリストの次なる“神走塁”が待っていた。
近本が四球を選んで2死一、二塁。糸原が「何がなんでもランナーをかえすという強い気持ちで打ちにいった」と、しぶとく右前へ運ぶと、やや前進守備だった右翼・武田が猛チャージして本塁へ返球。微妙なタイミングかと思われたが、熊谷の足が速い。最後は頭からきれいに滑り込み、大きな大きな得点をもぎ取った。
殊勲の走塁を見せたチームきっての“男前”は「前だけを見て、次の塁、次の塁を狙いながらいたので、それがいい結果につながったかな」と胸を張る。矢野監督も「タカヒロ(熊谷)の走塁はもちろん素晴らしかった。途中から行く選手も思い切って走るとか勇気がいるんだけどね。みんなの気持ちがつながった得点だった」と満足そうだ。
4日のヤクルト戦でも六回2死走者なしから代打・陽川の2点適時で同点に追いつき、その後逆転に成功して勝利した。「2死走者なしからでも攻撃していくというのは、これからもタイガースの野球にしていきたい」。そう語っていた指揮官の言葉通り、この日も執念で追いついた。
中日戦通算2000試合目で生まれた執念の同点打&神走塁。12日からは甲子園に観客も戻ってくる。首位を快走する矢野阪神の諦めない野球が、これからも虎党をアツくする。
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