中田良弘氏 王さんの前で-高ぶるプロ初先発初完投 伝統の一戦通算2000試合

 偉大なるOBたちが華麗なプレー、豪快な一打で歴史を積み上げてきた伝統の一戦が、5月15日の対戦で通算2000試合目の節目を迎える。85年の阪神日本一メンバーでデイリースポーツ評論家の中田良弘氏(62)が思い出の一戦、心に残るシーンを振り返った。

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 満員に埋まったスタンド。4万7000人の目が見つめるマウンド。ドラフト1位でタテジマに袖を通したルーキーイヤーの1981年4月11日。トラボルタこと中田良弘は、甲子園での伝統の一戦でプロ初先発を迎えた。

 「三塁側を見たら、王さんが助監督でベンチにいるんだよな。あっ、テレビで見た人ばかりだなって」。全身が緊張感と共に高揚感で包まれていた。

 相手先発は定岡正二。「相手は巨人。打たれて当たり前。最初から開き直って勝負できた」。初回を三者凡退で切り抜け、三回まで無失点。だが四回、1死から中畑清に先制ソロを浴びた。

 「一発は食らったけど、驚くほど落ち着いて冷静に投げられてた。マウンドからまた三塁側ベンチを見て、王さんが俺のピッチングを見てくれてるんだなとか思ったり」

 9回8安打1失点。プロ初先発初完投。135球を投げ抜いた。だが、定岡が中田を上回った。初回先頭の北村に二塁打を許したのを最後に、27人連続アウトで完封勝ち。巨人戦初登板でプロ初勝利をつかむことはできなかった。

 「負けたけど、俺でもここまでやれるんだって思えた。黒星は付いたけど、それ以上の自信をつけたね」。プロ初勝利は通算4度目の先発となった5月4日。敵地・後楽園での巨人戦だった。

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