阪神・小林 藤浪からつないだ!六回2死一、二塁で内川斬り!6戦登板防御率0・00
「阪神2-0ヤクルト」(16日、甲子園球場)
一塁ベンチへ戻る阪神・小林にスタンドから惜しみない拍手が降り注ぐ。藤浪の降板時に負けないほどのその量が、この日の仕事ぶりの大きさを物語っていた。
六回2死一、二塁。点差は2点。藤浪が塩見に死球を与えてピンチを広げた直後とあって、球場が何とも言えないムードに包まれる中で“仕事人”がマウンドへ上がる。
打席にはベテランの内川。外角いっぱいへの149キロ直球で空振り三振を奪うと、マウンド上で小林が右手を握り締めた。同時に捕手の梅野もガッツポーズ。見事に悪い流れを断ち切ってみせた。
「とにかく弱気にならないように、甘く入らないように。いい打者なので、そこだけを考えてシンプルにいけて良かったです」。笑顔で振り返った右腕は、回またぎで七回も続投。先頭の西浦を自慢のフォークで空振り三振に斬って、岩貞にバトンをつないだ。
2/3回を無安打無失点で移籍後初ホールド。チームの28イニング無失点&3試合連続完封に貢献した右腕に対し、矢野監督は「ピンチでいきなりベストボールを投げていくのは難しい。また信頼が上がった」。今季6試合の登板で防御率0・00の小林を手放しで褒める。
今春キャンプは2軍スタート。久保田2軍投手コーチの「力みすぎるな」という助言のもと、ブルペンで1球目からいい球を投げられるように取り組んだ。その成果を大舞台で見事に発揮した形だ。
昨季途中に飯田とのトレードでオリックスから阪神へ移籍。千葉出身ながら、虎党だった祖父の影響で子供の頃から、神宮などに応援へ行くほどの阪神ファンだった。
聖地での初のお立ち台。「試合より緊張しています」と笑わせ、ド派手なウル虎ユニホームに「僕が地味なのでちょうどいいと思います」とはにかんだ。そんなことはない。最強投手陣の重要なピースとして、この日のような派手な活躍を見せてくれ!!