【岡田彰布氏の眼】阪神ドラ1佐藤輝は最終段階「最後の壁乗り越えれば打率を残せる」

 「阪神4-0広島」(15日、甲子園球場)

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(63)は15日、甲子園で行われた阪神-広島戦で読売テレビの解説を務めた。5号2ランを放ったドラフト1位・佐藤輝について「最終段階よ」とし、内角攻めを克服した今、次は高めの直球を見極められるかがポイントと指摘。また今季1号を放った大山については、直球を放り込んだ時が本調子になると分析した。

  ◇   ◇   

 佐藤輝の本塁打は見事だった。インサイドのボールを強引に引っ張ろうとすれば右肩が開いてバッティングがおかしくなるが、やや詰まりながらでもバックスクリーンまで運んだ。開幕から内角を攻められ続けて、本人も考えながら“一つの形”を見つけたのではないだろうか。

 最近の試合を見ていても、バットを折られるシーンが非常に少なくなった。以前は懐のボール球でも打ちにいっていたが、今は冷静に見極めができている。内角攻めに対応でき始めたことで、乗り越える壁は最終段階に入ったと言える。

 次はベルトの位置から高めに来る直球にどう対応するかが焦点となるだろう。2打席目に一発を浴びたことで、広島バッテリーは3打席目、4打席目と高めのストレートを多用した。両打席とも空振り三振に終わったが、あのゾーンを見送ることができれば打率も上がり、本塁打も増えてくる。ここを乗り越えられるかが、佐藤輝にとって最後のポイントになると考えられる。

 また初回に本塁打を放った大山は、言わばラッキーな一発だった。年間30本塁打のうち、5本くらいは泳がされても“うまく運んだ”ホームランが出る。2打席目以降を見ていても、本調子と言えるのは直球を完璧にスタンドへ放り込んでからだろう。

 開幕から見てきて気になったのが、投手がクイックモーションで投げてきた直球に差し込まれているシーン。その原因として、左足を無走者時と同じように高く上げていることで、やや立ち遅れているように感じる。

 直球に差し込まれない対策として、全体の始動を早めるのではなく、左足の上げ方を少し工夫してみてはどうだろうかと思う。速いストレートをホームランにすることができた時に、復調したと言えるだろう。

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