阪神 際立つ佐藤輝のスイングスピード「慣れを待てば恐ろしい打者に」佐藤義則氏の視点

 4回、右越えに2ランを放つ佐藤輝(撮影・高石航平)
 4回、右越え2ランを放ち、一塁へ向かう佐藤輝(撮影・西岡正)
 4回、右越えに2ランを放つ佐藤輝(撮影・高石航平)
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 「オープン戦、ヤクルト6-9阪神」(16日、神宮球場)

 阪神の大型新人・佐藤輝明内野手(近大)の評価は毎試合、上がる一方だ。デイリースポーツ評論家・佐藤義則氏が、投手目線から見た佐藤輝を解説する。

 ◇ ◇

 阪神はキャンプ時から感じていたが、チームとしてスイング力が非常に高くなってきている。そのレベルの中でも、佐藤輝のスイングスピードは目立っているね。

 このタイミングで苦言や提言など必要ないし、実際に変えるべきフォームの欠点も見当たらない。

 欠点ではなく、特徴として解説するなら、佐藤が低めの球を打ちに行くとき、投手側の肩、つまり右肩の上がり幅が、他の選手よりは大きい。そして、そのボールに反応しようとした際に、バットのヘッドが落ちてしまうと、空振りする確率が上がる。

 この日で言えば三回、スアレスから空振り三振を喫した場面だ。アウトの中で、三振が多いのは、それが理由となっているように思う。当然、私が佐藤輝に投げる、またはコーチとして投手に指示するのであれば、高めの力のある球でファウルや空振りを取ってカウントを稼ぎ、低めの変化球で勝負、というのが基本線となるだろう。

 ただ、佐藤輝サイドに立てば、だからといってフォームを改造する必要はないと考える。このスイング軌道だからこそ、大きな飛距離を期待できる面もある。

 その上、四回の本塁打は左投手の高め直球を捉えたものだ。つまり、高めでファウル、空振り、という狙いの先手を打てる能力も持ち合わせているようだ。

 となれば、あとはプロの一線級のピッチャーが投げる低め変化球に対する慣れを待てばいい。長年プロでやってきているバッターでも、高低を使った配球に対応するのは難しいのだから、深刻になる必要もない。そこをファウルできるようくらいになれば、私から見ても恐ろしい打者となるだろう。

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