阪神・藤浪 自身でつかみ取った開幕投手 “矢野監督らしい”決断

 阪神の矢野燿大監督(52)が8日、ヤクルトとの3・26開幕戦(神宮)の先発を藤浪晋太郎投手(26)に託すことを明言した。大本命だった西勇が順調さを欠く中で「俺らが優勝するというところも含めて、総合的に俺が考えた」と指揮官。16年ぶりリーグ制覇への期待が高まる今季、藤浪がチーム初星をもぎ取り、頂点に導く。矢野監督の決断に担当記者が思いを語った。

  ◇  ◇

 藤浪の開幕投手決定には正直、驚いた。一方で“矢野監督らしいな”という思いも大きくなっていった。

 指揮官はキャンプ中からことあるごとに「ウチはポジションを与えられている選手は少ない。自分自身でつかみ取ってほしい」と口にしていたものだ。

 西勇に無理をさせないのであれば、昨季の実績からも青柳、秋山が代わりの候補に挙がるはず。それでも藤浪を指名したのは、キャンプで投手MVPに選出するなど最もアピールした藤浪が、まさに『自身でつかみ取った』結果である。

 その一方で「総合的に考えた」と明かしたように、戦略的な側面も見て取れる。まずは西勇に開幕投手を回避させた点。5日のソフトバンク戦から中6日で行くなら、あと2試合しか投げられない。開幕2カード2戦目の31日・広島戦にずらすことでファームの試合を含めて、3試合に投げてシーズンに向かうことが可能になる。

 西勇は広島相手に昨季4勝0敗、巨人に3勝1敗。その後も中6日で回れば、4月7日に巨人戦、14日に再び広島戦、さらに21日に再び巨人戦と相性のいい相手に続けてぶつけることもできる。

 矢野監督は藤浪の“華”も総合的な判断のひとつと明かし、福原投手コーチは「勝てば勢いがつくし、どう転んでもいい影響はあると思う」と話した。

 神宮は藤浪がプロ初登板を果たした思い出の地でもある。開幕投手という形で“再出発”を決め、藤浪、そしてチームが波に乗っていくと信じたい。(デイリースポーツ阪神担当キャップ・和田 剛)

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