阪神・井上2戦連発 高卒2年目新人王、村上の道歩め!平田2軍監督「来年は戦力に」

 「フェニックス・リーグ、ヤクルト1-7阪神」(18日、アイビースタジアム)

 阪神の井上広大外野手(19)が18日、みやざきフェニックス・リーグのヤクルト戦(サンマリン)で2試合連発となる3ランを放った。将来、猛虎打線の中軸を担う選手として期待されている若き主砲。高卒2年目で新人王に輝いたヤクルト・村上のように同リーグで大ブレークし、来季へ飛躍のきっかけをつかむ。

 初球から狙い澄まし、完璧につかまえた。打った瞬間に白球の行方を確信させる鋭い弾道。井上の豪快なスイングから放たれた打球が、左翼フェンスを悠々と越えて後方の壁に直撃した。推定120メートルの一発。2試合連続となる本塁打で、2年目の来季へ向けて確かな成長を見せた。

 痛烈な一撃は1点を先制した直後の初回に飛び出した。なおも無死一、二塁で迎えた第1打席。市川が投じた初球、内角低めの直球をきれいに振り抜いた。「いつも内甘(内角寄り)を意識しろって言われていたので。意識して打席に入って、うまく反応できた」と狙い通りの3ラン。貴重な追加点を奪った。

 「昨日1本出て、やっぱり気持ち的にも楽になった。昨日打った形のまんま、しっかりと今もスイングできている」

 前日17日の楽天戦では、同リーグ初本塁打をマーク。ただ、この試合前まで8試合で26打数6安打1本塁打、打率・231と苦戦していたが、ようやく勢いに乗った。

 2年目を迎える来季は、高卒だから…という特別待遇は一切ない。平田2軍監督は「1年目はある程度、お客さん扱いで4番に座らせたりしていたけど。もう来年は(1軍の)戦力になってもらわないと。矢野監督もそのために1軍を経験させてるんだから」とさらなる成長を求めた。

 本人も自覚十分。「同じ年の人よりかは、早く1軍に上げてもらっている。上でやって自分の課題が見つかった。そこを早く直して、また上に上がってもっと結果を出せるようにしたい」。痛感した力不足を克服し、来シーズンこそ1軍定着が目標だ。

 そのためにも、フェニックス・リーグは来季へ向けた大切な時間。高卒2年目の19年に新人王を獲得したヤクルト・村上も、ルーキーイヤーの18年に同リーグで10本塁打を放ち、大ブレークへとつなげた。

 この日は4打席に立ち、3打数1安打3打点、1四球。来季の新人王獲得にも意欲を示し、「最終的にたどり着けたらいい」と井上。実りの秋から飛躍の1年が始まる。

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