岡田彰布氏 巨人と阪神の差、当たり前のことを当たり前にできるかどうか
阪神元監督でデイリースポーツ評論家の岡田彰布氏(62)が、幅広い見識を基に球界の話題を深掘りする「岡田辞典」-。原監督のもと、セ・リーグ連覇を達成した巨人と阪神の違いはどこにあったのか。ポイントに挙げたのは実力差ではなく、“チームの意識”と“野球の違い”を指摘した。
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今年、阪神と巨人の戦いぶりを比較すれば、そこまで大きな戦力差というのはなかったように感じる。ではなぜ、現時点で8勝15敗という差が開いてしまったのか-。“当たり前のことを当たり前にやる野球”というところに尽きると思う。
もちろんチーム失策数は両球団で大きな差がある。そこに加え記録に残らないミス、例えば守備位置のポジショニングを間違った、併殺の場面で取れるアウトをきっちり奪えなかったケースが多かった。華麗なファインプレーやいいプレーではなく、地味だか一つ一つのプレーを堅実にこなす。阪神と違って、巨人はそれができていたように思う。
だから試合展開を見ても阪神が勝つケースは大差がつくなど、完勝と言えるゲーム内容が多かった。一方で巨人は苦しい試合でも、しっかりモノにしたというイメージが強い。阪神からすれば、決して力負けしていないにも関わらず、これだけ大きな差が開いてしまった。とすれば、課題は“意識や考え方”という部分に行き着く。
阪神は打力を優先してオーダーや守備位置を考えることで、どうしてもほころびが出てしまう。逆に巨人は外国人選手でも守備や攻撃のバランスを考え、先発オーダーから外すケースもあった。
少々のミスでも打力で取り返してくれるならいいが、今季、両球団とも完璧に中軸を任せられる助っ人はいなかった。そんな中、首脳陣はどういう布陣を考え、どういう手を打ってきたか-。来季、巨人の3連覇を阻止するためには、しっかりとした“復習”が必要だろう。
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