阪神・球児、みんなと一緒に3度目の優勝だ 「チャンス来ている」果たす入団時の約束
阪神・藤川球児投手(40)が1日、西宮市内で引退発表会見に臨み、入団時に目標に掲げた3度目の優勝を約束した。“粉骨砕身”を貫いたプロ22年間の野球人生に悔いはない。あと5に迫った日米通算250セーブに未練もない。残りシーズン2カ月半。猛虎の誇りにかけて、最後まで打倒巨人を掲げた。不死鳥のような復活を遂げ、最後まで戦い抜く覚悟だ。
終始晴れやかな表情で言葉を紡いでいた藤川が感極まった。22年間の野球人生を振り返ったときだ。「もう潰(つぶ)れてもいいっていう覚悟で25歳ぐらいからやっていますので。僕、戦の話が好きで、粉骨砕身ってそういう意味で…」。一度は涙をこらえ「セーフですね」と笑ったが、また約1分40秒の沈黙…。そして、こう声を絞り出した。
「前向きであることです。振り返らない。本当はそんなに強くない人間なんですけど、叱咤(しった)激励が多くてね。それを覆すのが楽しかった。だから、前を向こうと思いました」
幸せな悔いのない野球人生を送ってきた。27歳頃、初めて引退が頭をよぎり、昨春も球団に申し入れた。鮮やかな復活劇でクローザーに返り咲き、「自分へのチャレンジに勝った」。だが今季は故障が相次ぎ、2連投ですら「アレ?」と体に異変を感じた。「一年間体の準備が整わないというのはプロとして失格」-。あと5に迫った日米通算250セーブも「建前なしに考えたことはない。もっと大きな財産を頂いた」と個人記録よりも猛虎愛が上回る。
タテジマを愛している。甲子園球場が「母親」なら、阪神タイガースは「父親」と表現。「名前が球児で、自分が一番タイガースに似合っている」と笑う。ファンは「家族」だ。入団時には「3回優勝する」と約束。「今年で3回目のチャンスが来ている。僕は僕で、もう一発何とかと思っている。頑張りますよ、みんなと一緒に」と本気で逆転優勝を狙う。
残りシーズン2カ月半。最後まで打倒巨人だ。後輩たちを「負けるなと思う。オレに負けているようじゃダメ。巨人に勝てない」と鼓舞。猛虎の誇りにかけて「僕は巨人に勝ちたい」と語気を強める。
「阪神の先輩方から伝統を預かって、今年限りで選手としての任は解かれるけど、それも含めてつながないといけない」。生え抜きとして「譲れない」とまで言う。まだ終わりではない。坂本龍馬に憧れる土佐のいごっそうは、3度目の歓喜が訪れるまで戦い抜く。
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