阪神・スアレス、球児魂オレが継ぐ 引退会見の日に移籍後初勝利
「阪神2-1ヤクルト」(1日、甲子園球場)
投のヒーローも満面の笑みでホームの歓喜の輪に加わった。今季初のサヨナラ勝ちで、阪神・スアレスが移籍後初白星ゲットだ。劇的アーチを放ったサンズに歩み寄ると、ハイタッチで喜びを分かち合った。
「自分よりもチームが勝ったことがうれしい。勝ちが付くということはチームが勝っているということだから、これからもチームの勝ちにつながるピッチングを心掛けたいね」
1-1の九回、出番が訪れた。ミッションはサヨナラ勝ちへムードを高める投球だ。先頭の山田哲にいきなり左翼線二塁打を浴びた。村上は申告敬遠し、広岡に犠打を許した。1死二、三塁。絶体絶命の窮地に剛腕が本領発揮だ。エスコバーを三ゴロに抑えると、代打・坂口は内角へ159キロをズドン!三飛に打ち取り、ピンチを脱出した。
「いつも通り一人一人、一つ一つのアウトを取っていく気持ちで投げたよ。ゼロで抑えることが一番だから良かったね」
開幕はセットアッパーで迎えたが、藤川の登録抹消に伴い、クローザーに昇格。移籍後初セーブを挙げた7月12日以降、18試合で防御率1・50。12セーブはリーグトップを走っている。最速160キロの速球は制球力もピカイチだ。ストレートを200球以上投げた投手の中でストライク率77・4%は両リーグトップ(データは共同通信デジタル)。被本塁打ゼロも頼もしい限りだ。
矢野監督の信頼も日ごとに高まっている。「(バントで)送られてからも粘ってくれたのはやっぱりスアレスの球の力と、ただ目いっぱい投げるんじゃなくて、そういうのも考えられる投手なんで助かっています」。この日、藤川は今季限りでの現役引退を表明。代役守護神を担う剛腕が逆転Vへの使者となる。
関連ニュース


