阪神２軍は２３日に甲子園でオリックス２軍とのウエスタン開幕戦に臨む。来場者数３００人と試験的だが、コロナ禍後では初の有観客試合となる。昨夏の甲子園決勝以来、聖地で「４番・右翼」に座るドラフト２位・井上広大外野手（１８）＝履正社＝は２２日、ハツラツプレーを誓った。

　「気合が空回りしないように、まずはしっかりとした準備をして、元気でハツラツとした姿を見せられればいいかなと思います」

　３０６日ぶりに甲子園で「４番・井上」のコールが響く。この日、鳴尾浜で行われた全体練習で４番起用を明言した平田２軍監督は「井上は高い所での目標を持ってほしいと思って４番に据える」と期待を込めた。

　その上で指揮官は他球団の中心選手を引き合いに出し、さらなる成長を願う。「今までは中日で同期の石川昂に負けるなでやってきたけど、開幕したら１軍レベルの生え抜きの４番を目指そうというところ。巨人の岡本、広島の鈴木誠也に追いつけ、追い越すぞという志を持ってやらないと。タイガースの柱になるようなね」

　練習後、指揮官の思いを受けた井上も一層、気合を入れた。「２人（岡本、鈴木誠）の選手がよく本塁打を打っている映像を見ていた。いずれは同じ舞台に立って、プレーできる大きな選手になりたい」。夢を実現させるためにも、まずは２軍の４番として牙を研いでいく。

　約３カ月前に体験昇格した甲子園でのオープン戦では、巨人・鍬原から適時二塁打を放った井上。フルスイングを貫き、成長した姿を見せつける。