阪神・福留、アクセル全開 安打に盗塁トライも 球界最年長43歳「覚悟持ってやる」

 阪神の福留孝介外野手(43)が26日、兵庫・西宮市の甲子園球場で行われた集合練習で、ベテラン健在のハッスルプレーを見せた。40代対決となった能見相手のシート打撃で中前打。さらに谷川からは四球を選ぶと、すかさず二盗を試みた。アウトにはなったものの、球界最年長は元気いっぱいの姿で、シーズンの開幕にGOサイン。「覚悟を持って闘う」と決意を表明した。

 43歳には見えぬ姿に覚悟が宿る。野球ができる喜び、野球で届けたい元気と勇気。福留は凝縮する思いをグラウンドで体現した。25日、シーズン開幕が6月19日に正式決定。プロ野球選手の総意を代弁するように口にしたのは、球界最年長としての決意表明だった。

 「他のプロスポーツがいろいろとある中、先陣を切って開幕することになれば、しっかりした覚悟というか、意識を持ってやっていかなければいけない」

 スタート地点が明確になったことで、既に準備段階からアクセル全開だ。この日の集合練習では、2度目のシート打撃が行われた。福留は第1打席で能見と相対した。投手、野手の40代球団最年長対決。きっちり中前にはじき返し、貫禄勝ちだ。これだけで終わらない。

 続く谷川との対戦では四球を選ぶと、すかさず二盗を試みた。「いまの自分の状況がどうかという確認作業。故障があるわけではないので」。惜しくも坂本に刺されたが、スタートを切る姿は元気な証明。昨季、盗塁はない。シーズンで決めると球団では、44歳シーズンで成功した金本以来の年長記録となる。

 史上最年長での日本通算2000安打まで残り103本。日本通算400二塁打もあと6本とする。300本塁打、3500塁打、1000四球も射程圏内。数々の個人記録に注目も集まるが、無観客で迎えるシーズンインに「見てくださる方々に応援してもらえるよう、全力で取り組むだけです」と前を向く。

 シーズンの開幕が遅れ、120試合制に短縮。大事なのは入り方だと強調する。「まずは、どれだけスタートで勢いづけられるかが大切。一番気を付けなければいけないことはケガ。準備の過程で急ぎ過ぎてケガのないように」。待ちに待った日まであと少しだ。先陣を切るプロ野球界が底力を見せる時がきた。

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