阪神 死球対策&村上封じで燕から昨季以上の貯金を【ライバル分析・ヤクルト編】

 セ・リーグ他球団分析「虎Vへの突破口~ライバル球団徹底分析~」の最終回はヤクルト編。昨季は阪神が14勝9敗2分けと勝ち越した。ただ、これまで死球を巡る“因縁”も注目された両チーム。6本塁打、16打点を許した村上への警戒を強めながら、死球を与えた試合の勝率差を埋めて白星の上積みを狙いたい。

  ◇  ◇

 全体的に見れば、昨季はヤクルトから貯金「5」を稼ぐなど、優位に戦いを進めた。一方で死球を与えた試合の“勝率差”が気になるところ。死球が絡んだイニングの対処次第で、さらに勝利の可能性は深まりそうだ。

 まず、阪神投手陣の昨季ヤクルト戦防御率は対セ・リーグで3番目の3・50。与死球11は中日戦の14に次いで2番目に悪かった。ヤクルトの阪神戦防御率は対セで最も良い3・50。一方で与死球は阪神と同じ11でワーストだった。ただ、死球を与えた試合の勝率は大きく異なる。

阪神与死球試合勝敗=2勝5敗2分け、勝率・286

ヤクルト与死球試合勝敗=4勝4敗、勝率・500

 さらに特徴的なのは死球を与えたイニングの得点回数だ(1イニングに2死球以上なし)。

阪  神=無得点7回、得点4回

ヤクルト=無得点4回、得点7回

 いずれも11死球。だが、無得点と得点回数の数字は逆転する。阪神打線は死球を生かせず、投手陣は失点につなげるケースが多かった。

 阪神投手陣で最も与死球が多かったのは青柳で3、ヤクルトは高橋と原で共に3。また、両球団で複数回死球を受けた打者と四球数、得点は次の通り。

【阪  神】

マルテ…3死球、14四球、5得点

梅野…2死球、8四球、8得点

大山…2死球、5四球、10得点

【ヤクルト】

青木…4死球、12四球、8得点

村上…2死球、13四球、12得点

 村上には四死球だけでなく、被打率・195ながらヤクルト打線で阪神戦トップの6本塁打、16打点を許した。“死球対策”と“村上封じ”が今季のカギを握るかもしれない。

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