阪神 甲子園自主トレ15日から再開 コロナ予防へ分離時差、室内はマスク徹底

 阪神は13日、新型コロナウイルス感染拡大のため閉鎖していた甲子園と鳴尾浜の練習施設を15日から開放し、自主練習を開始することを発表した。この日、球団幹部らによるミーティングが行われ、矢野監督、平田2軍監督にも相談して決定した。自主練習期間は当面の間で、希望者が参加する。投手、野手それぞれ2グループに分かれ、午前と午後に分けて練習を行うなど、徹底した予防策の下で活動を再開する。

 3月26日の活動休止から約3週間。慎重に今後を模索してきた球団が、選手の思いに応えて決断した。

 谷本球団本部長は球団内で行われたミーティングに参加。管理部長、ファームディレクターが、選手に相当以前から「施設を使わせてほしい」と要望を受けていたことを明かし、施設開放に至った経緯を明かした。

 「会社全体としては自宅待機を継続ですが、体をつくるのは家だけでは難しいですし。どうしても外に出ることになる。ご家族を実家に帰して、一人でやっている選手もいますし。何とか練習環境を提供できないかと考えまして」。藤浪、伊藤隼、長坂が新型コロナウイルスに感染後、自宅周辺の自主練習に制限してきた選手の思いをくみ、結論を出した。

 矢野監督、平田2軍監督にも賛同を得て、施設開放を選手へ通達。同本部長は矢野監督から「ありがとうございました」と言われたことも明かした。

 今後は球場、室内練習場、ブルペン、ウエート場が開放されるが、徹底した感染予防策を講じる。人の移動を減らすために、甲子園は1軍、鳴尾浜は1軍クラスの寮生、2軍、故障者に振り分ける。

 投手、野手はそれぞれ2グループに分かれ、さらに午前と午後に分ける。同じポジションの選手が、同グループにならないようにもする方針。監督、コーチは視察に来ない。

 練習着は自由で、谷本球団本部長は「ユニホームより大事なのはマスク。念には念を入れて」と話した。地域アドバイザーからは12日までにウエート場はマスクなしでOKと助言を受けているが、室内であるためマスクを着用させる。

 球団ではこの日も体調不良者はいなかった。ホテルや実家などに一時避難している寮生は、長坂以外が15日の施設開放に合わせて寮へ戻る。

 状況は好転しているように見えるが、谷本球団本部長は活動再開は「見えていないですね」と話した。「活動再開と言ったら、チーム全体で動くということになると思う。半歩(前進)。先が見えない中で」。今後も状況を見ながら、慎重に進む道を模索していく。

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