原口 サバイバー・バッテリー結成や!精巣がん克服エドワーズと共闘誓う
大腸がんを克服した阪神の原口文仁捕手(27)が22日、「サバイバー・バッテリー」の結成を心待ちにした。埼玉県の寄居町運動公園で、後援会主催の野球教室に参加。地元の大歓迎を受け、来季に向けた決意を新たにする。新加入のジョン・エドワーズ投手(31)は、14年オフに精巣がんの摘出手術を経験。「同志」として、希望になる活躍を届けるため、共闘を誓う。
埼玉県寄居町の最低気温は2度だった。だが、肌を刺すような寒気はなく、故郷のグラウンドをぬくもりが包む。今年1月の大腸がん手術を経て、原口が元気に地元凱旋を飾った。「お帰り」の声が響く原点の地。約120人の少年少女や後援会の人々に勇気を届け、元気をもらった。
「今年、病気を発表した時には多分、誰もが無理だろうと思ったと思うので。本当にうれしく思いますね」
地元の優しい風に揺られ、2020年に向けた思いを強くする。大腸がんを克服した一年を経て、来年は野球選手として完全復活を誓う。目指すは捕手としての定位置奪取。漢字一字の「運」をテーマに「来年は全て運のいい方向に進むことを信じています」と子(ね)年を駆ける。
強い思いを向ける一年に、数奇な出会いも待っている。新加入するエドワーズは14年オフに精巣がんを患った。切除手術を経て、メジャーに復帰。原口も「克服しているんですか?すごいですね」と驚きの表情を浮かべる。来季、「サバイバー・バッテリー」が実現すれば、がん患者の大きな励みになるはずだ。
「同志じゃないですけどね。そういう思いを持って、僕も野球を頑張ります」。今季は捕手として出場7試合に終わった背景に、キャンプに参加できなかった空白の期間がある。「今年はそれを痛感しました。自分のことよりも、投手の状態を把握できるのは大きい」。ブルペンで連日、何百球と受ける2月が、捕手・原口を後押しする。
この日、お手本として披露した屋外ロングティー打撃で柵越え連発。左中間に飛んだ弾道に、確かな手応えも感じた。「あの打球はうれしかったです」。ボーア、サンズの加入で助っ人野手3人体制も「自分のやることは決まっている」と前を向いた。使命を持つプロ野球選手として、恩返しの戦いは続いていく。
関連ニュース




