【望月母・由美子さん手記】どんな姿も誇らしい…本当に頑張ったね

 お立ち台で福留(左)に右腕を掲げられ笑顔を見せる望月
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 「阪神8-0DeNA」(22日、京セラドーム大阪)

 4年目の阪神・望月惇志投手(22)が待望のプロ初勝利だ。今季3度目の先発となった右腕は立ち上がりから走者を許す投球が続いたが、要所を締めて6回を3安打無失点。故障など紆余(うよ)曲折の道のりを歩んできた若虎が、やっとウイニングボールを手にした。

  ◇  ◇

 どれほどの苦しい思いをしてきただろう。手術を受けるかどうか悩んでいた日々。何度も、何度も連絡をくれたね。試合前からドキドキしっぱなしで、なんか疲れちゃったよ。おめでとう、本当に頑張ったね。親なんて当たり前のことしかできていないのに…でもウイニングボールはありがたくいただきます。

 「本当にウチの子でいいんですか?」

 思わず聞いちゃった。心配だったのか、不安だったのか。指名あいさつという晴れ舞台で、お母さんのネガティブ発動。だって見に来てもらった試合で惇志はめった打ち。プロ野球選手なんてなれると思わなかった…というよりも、思えなかった。だからまさかこんな日がくるなんてね。

 お母さんにとって忘れられないのは、横浜創学館での1年秋。練習試合で打たれて、県大会前にベンチ入りを外されて…。いつもはおしゃべりな惇志が、あの日は真っ先に部屋に帰って行っちゃった。覚えてるかな?何かあったってことはすぐにわかったんだけど、お母さんはいい言葉をかけてあげることもできなくてごめんね。

 去年のフレッシュオールスターで、さくらんぼ狩りに付き合ってくれる惇志。最後の夏、1個上の先輩と「泣かない」って約束してたのに、ちょっぴり泣いちゃう惇志。どんな姿も誇らしい。「この請求書どう払えばいいの?」。いま聞いてくるのはそんなことばかり。もう、次は見に来ないぞ。たまには元気な姿を見せてね。

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