近本122安打 徳網に並ぶ球団新人5位 次は赤星の128安打にトライ!

 「中日0-0阪神」(13日、ナゴヤドーム)

 阪神は延長十二回を戦って0-0のドロー。今季4度目の対戦となった中日先発・大野雄をまたも攻略できなかった。打線が拙攻を重ねた中、ルーキーが気を吐いた。近本光司外野手(24)が2安打を放って今季チーム単独トップ、1950年の徳網茂と並ぶ球団新人5位のシーズン122安打とした。

 進んだ“二歩”ではない、足踏みした“四歩”を悔やんだ。近本が言葉を選びながら、静かに紡いだ。「他の打席で、もう少しできることはあったかなと思います」。刻んだのは、今季122本目の快音。だが虎のリードオフマンとして、ここで立ち止まっているわけにはいかない。

 小さな歩幅だった。それでも一歩、一歩、着実に歩み続けてきた。まずは三回だ。この回先頭で打席へ向かうと、その4球目だった。148キロの直球をはじき返す。遊撃・京田も打球に追いついた。一塁へと送球されたが、俊足・近本の足が上回った。内野安打で出塁し、北條の犠打で得点圏へ進んだ。それでもホームは遠かった。

 そして再び、チャンスは巡ってくる。五回だった。1死走者なしで打席が回ると、今度は内角のツーシームに反応。鋭い打球は中前へと抜けていった。任され続けている「1番」としての役割。それは出塁だけではない。何度もけん制にあうなど、「塁からでもできることはある」と、チームの勝利へ向けて必死にプレーした。

 ルーキーイヤーが開幕して4カ月半。憧れ続けた先輩の背中が、ついに見えた。この日放った122安打目は、球団新人では50年の徳網茂に並ぶ5位タイ。次なる道しるべは、128安打をマークしている同4位の赤星憲広だ。大きな目標…それは同時に、超えていきたい背中でもある。「(赤星)2世と言われるよりは、それを超える選手になりたい」。いつだって進む道の前を走り、目指してきた先輩。あと6本までに迫った。

 「最低限、内容のいいアウトになるように。内容もよくなっていけるように考えてやっています」

 6打数2安打。凡退した4打席が胸を突く。どれだけ塁を駆け抜けても、勝利に導けなければ意味がない。「得点につながれば一番よかったんですけど…」。悔しさが、言葉の続きを遮った。ほしいのは勝利を呼び込む、導く一打だ。近本がまた、明日へと歩き始める。

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