“新夏男”近本11度目の猛打賞 ミスター超えへ直近6戦16安打で進撃

9回、左前へ安打を放つ近本(撮影・田中太一)
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 「広島10-5阪神」(4日、マツダスタジアム)

 またミスで負けた…阪神のそんな悲しい現実を和らげたのは、今季2度目の4安打を放った近本光司外野手(24)だ。直近6試合で16安打を量産し、打率は驚異の・640。今季安打数を116本とし、阪神の新人では別当薫が残した数字(114本)を超え、11度目の猛打賞は長嶋茂雄が持つセ・リーグの新人最多記録(14度)を視界に捉えた。ロードの出だしで広島に負け越したけど…挽回の余地はあるで!

 夏男の勢いが止まらない。前夜3安打の近本が、この日は今季2度目となる4本の快音を響かせた。猛打賞は今季11度目。それでも「点につながらなかったのが、一番の反省。1番の仕事は(本塁に)かえってくることなので」と厳しい表情を崩すことはない。

 固め打ちの始まりは、初回の第1打席だった。カウント2-2から九里が投じた外角寄りのチェンジアップに反応。力強く引っ張った打球は一、二塁間を破った。この右前打が、自身の打撃のリズムを作った。

 五回の第3打席は、フルカウントからの6球目、高めに浮いた直球を捉えた。右翼フェンス直撃の二塁打。七回無死一、二塁では痛烈な打球の右前打で反撃のチャンスを拡大した。そして、先頭で迎えた九回には左前打。最後まで反撃の姿勢を示し続けた4安打だ。

 夏場に入り、打撃は絶好調。直近6試合で25打数16安打、打率・640と勢いはとどまることを知らない。今季通算の安打数でも116本とし、阪神の新人では1リーグ時代、ダイナマイト打線の主軸だった別当薫が残した数字(114)を超えた。さらに今季11度目の猛打賞でシーズン換算では15度ペース。新人記録の長嶋茂雄(巨人)の14度超えも視界に捉えている。

 プロ1年目。ここまで100試合を経験し、疲労の蓄積は否めないが日々の努力は怠っていない。この日の午前中には、チーム宿舎の近くにあるジムに足を運んでトレーニング。「やることはやっておきたいので」と自身の体と実直に向き合い、力を発揮できるための調整を続けている。

 開幕からチームに貢献し続け、443のシーズン最終規定打席にも到達した。その一方で本人は出塁の回数が上がりながらも、ここ4試合でゼロに終わった盗塁数に目を向ける。「盗塁などで相手に影響を与えることができなかった」と悔しさをにじませた。

 だからこそ「まだまだです」と、打席数は単なる通過点にすぎない。チームが勝つために何をすべきか。激しい他球団との争いから取り残されないためにも、近本は課せられた使命を全うする。

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