「阪神３－４巨人」（８日、甲子園球場）

　敗戦に笑みはない。阪神の原口はゆっくりと試合後の通路を歩いた。結果的に競り負けた一戦。それでも、代打の切り札が残した一振りは、２戦目以降につながるはずだ。一時、同点に追い付く中犠飛。出場７試合ぶりの打点でチームを鼓舞した。

　「しっかりと準備していたので。投手が代わっても気にはならなかったです」。出番は１点を追う七回だ。１死三塁で登場。巨人はここで３番手・大竹をマウンドに送った。２－１から４球目、外角低めのスライダーをすくい上げるように中堅にフライを飛ばした。

　「なんとか１点が欲しい場面で、最低限の仕事はできた。次につなげていけるように頑張りたい」。１打席で結果が求められる代打稼業。泰然として打席に立つ。一喜一憂することなく、勝負どころの一打で勝利に導いていく。