糸井V撃!歴史をつくるん打 勝負強さ発揮!近本、糸原のバントお膳立てに燃えた

 「阪神3-1広島」(5日、甲子園球場)

 阪神が逆転勝ち。勝負を決めたのは超人の一振りだ。1-1で迎えた六回、無死一、二塁から糸井嘉男外野手(37)が左中間へ勝ち越しの決勝2点二塁打。チームトップの勝利打点「7」という勝負強さを発揮した。球団史上最大の逆転優勝へ向け、まだまだあきらめん!

 黄色と赤色のコントラストが、カクテル光線で鮮やかに映える。両軍とも状態は下降線。互いに譲れぬ一戦の殊勲は糸井。ヒーローを呼ぶ声が聞こえる。先発・岩田に勝ちを付け、チームに勝利を呼んだ一打。超人の一振りで試合を決めた。「最高でーす!!」。接戦を制し、黄色いスタンドが激しく揺れた。

 五回、マルテの7号ソロで同点に追い付き、迎えた六回だ。先頭の近本がセーフティーバントを決めると、続く糸原の送りバントで相手守備が処理にもたついた(記録は内野安打)。ミスに乗じたチャンス。ここで糸井が打席に。見逃し、ファウルに続く3球目。148キロの直球を狙った。

 勝負を急いだ1球に対して、甘い!!とばかりのフルスイング。鋭い打球は深々と左中間を破った。「いい投手なのは間違いないので。仕留めることができてよかったです」。近本に続き、一走・糸原もホームに生還した。広島のエースを攻略する一振りで、2試合ぶりの安打&タイムリー。チームトップ7度目の決勝打になった。

 「僕、チームに必要ないですか」-。

 6月20日の楽天戦(甲子園)。侍JAPANの稲葉監督が視察に訪れた。試合前、「チェックしとくわ」と返した指揮官は、日本ハム時代から後輩のすごさを知る一人だ。「こんなことがあってね」。そう言って昔を懐かしむ。11年シーズン。珍しく「痛い」と漏らす糸井を心配し、病院に行くように勧めた。自打球を当ててから1カ月以上たち、右足小指の骨折が判明した。

 「あいつは絶対に痛い姿を人に見せない。本当に痛いと言うときは重傷なんです。だから心配ですよ」。膝に腰、でん部…。開幕から痛む体にムチを打ち、グラウンドに立っている。遠征先でも早出特打が日課。妥協のない練習量は他の追随を許さない。飽くなき探究心、衰え知らずの向上心が37歳にして、なお進化を支えている。

 本拠地・甲子園で13日ぶりの勝利。再び3位タイとし、第2戦に勝てば2位に浮上する。「負けが込んでいるので。明日も勝てるよう、必死に頑張ります」。笑顔は最小限に、力強く前を向いた。前半戦は残り5試合。ただ、勝つために。超人のバットが流れを変え、反撃のGO砲になる。

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