セ・リーグ２位で「日本生命セ・パ交流戦２０１９」を迎える矢野阪神に、あの男が戻ってくる。１月末に大腸がんを公表した原口文仁捕手（２７）が４日から始まる交流戦での１軍昇格へ向けて３日、チームに合流した。

　矢野燿大監督（５０）が３日、１軍昇格が決まった原口にエールを送った。起爆剤としてはもちろん、ファンや同じ病と闘う人にも届くような熱いプレーを期待した。

　「ファンも気にしてくれていたと思うし、もう原口一人のことじゃなくなってきている。同じ病気をしている人にも元気や勇気を与えられるのは、ある意味、原口しかできない部分はあると思う」

　チームは首位・広島と４ゲーム差の２位で、昨季６勝１１敗１分けだった交流戦に入る。原口の勝負強い打撃にかかる期待は大きい。「（実戦復帰後は）今までと違う気持ちでグラウンドに来たりしていたと思う。そういう意味で気持ちは、とんでもなく成長していると思う。めちゃくちゃ楽しみ」。苦難を乗り越えた男の雄姿を心待ちにした。