鳥谷汗まみれ!遊撃守ったクールな男が“定位置奪回”へ 37歳がむしゃら

 遊撃を守ってノックの打球を好捕し、グラブトスをする鳥谷
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 「阪神春季キャンプ」(3日、宜野座)

 飛んだ、走った、打った、叫んだ-。阪神の鳥谷敬内野手(37)が今キャンプ初のシートノックに参加。2月に限定すれば2年ぶりに遊撃の位置で打球を追うと、豪快なダイブで沸かせるなど元気な姿を披露。投手相手のフリー打撃にも志願参加し、早ければ11日の紅白戦に出場する可能性も浮上。第1クールを終え、矢野監督は野手陣でMVP級の評価を下した。

 客席には今キャンプ最多5000人の観衆。この日一番の歓声は鳥谷が奪った。シートノック後の“ランチ特守”。二遊間の鋭い打球に迷うことなくダイブした。37歳のハッスルプレーに拍手喝采。全身泥にまみれたベテランからも、自然と笑みがこぼれる。充実の第1クールを終えた。

 「できることは、何でもやっていきたい」。がむしゃらな姿を隠そうともせず、今季に懸ける思いを明かした。午前中に始まった初のシートノック。キャンプでは2年ぶりに遊撃の守備に就いた。併殺、バックホームも含めて計5本。ミスなく華麗な動きを見せる。

 午後のフリー打撃では若手投手が登板すると、志願して打席に立った。「回り(順番)的に打てたので、打たせてもらおうと思いました」。才木を相手にボール球を見極めながらの11スイング。広角に打ち分け、安打性の打球は3本だった。

 今キャンプは初日から若手に交ざってフルメニューを消化中。練習はこれだけでは終わらない。さらに左翼後方の道路を使い、距離20メートルの坂道ダッシュを10本、25メートルを5本走った。驚くべきは20メートルのタイム。トップの植田が28秒で、それに続く28・6秒を記録した。最後は「ヨッシャー!!」の大声で、絶叫ゴールのフィニッシュだ。

 16年目。クールな仮面の裏に熱き思いが宿る。フルメニューも志願参加も全て、3年ぶりの遊撃奪取のためだ。ベテランのロケットスタートに「想像はしてたけど、想像よりもね。挑戦する気持ちを感じる」と矢野監督もMVP級の評価を与える。

 練習後の野球教室だ。小学生から壁にぶち当たった時、乗り越える方法を聞かれた。鳥谷は自分に言い聞かせるように答えた。

 「エラーも打てない時もある。その時は練習を思い返して次の失敗につながらないように。矢野監督も『自分を信じろ』と言われる。成功する姿を想像して頑張ってください」

 脳裏に描くのは3月29日・ヤクルトとの開幕戦、京セラドームのショートに立つ姿だろうか。タクシーに乗り込む際、隣に座る福留が「順調です!!」と代弁した。早ければ11日の紅白戦に出場する可能性もある。鳥谷自身がはやる気持ちを隠さない。「いつでもいけますよ。最後まで頑張ります」。激しいサバイバルを制し、不死鳥のごとく舞い戻る覚悟だ。

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