4番・大山、4打数4安打 痛すぎ糸井離脱も…頼もしすぎ代役大暴れ!
「中日0-4阪神」(29日、ナゴヤドーム)
狙い澄ましていた。4度与えられた勝負の機会。1秒ごとに増す張り詰めた空気に、観衆も息をのむ。新4番・大山悠輔。故障者続出と、チームにのしかかる重たい空気を一気に切り裂いた。敵地・ナゴヤドームで4安打の大暴れだ。
まずは初回。“代役4番”が先制攻撃をかける。2死二塁で迎えた第1打席。追い込まれてからの直球を捉えた。打球は右翼線ギリギリのところに落ち、先制の適時二塁打に。「粘って反対方向に打ち返すことができた。先制のチャンスで、ランナーをかえすことができてよかったです」。左肩腱板の部分損傷で離脱した糸井の代わりに座った4番の椅子。早くも結果につながり、ホッとした表情を見せた。
さらに四回には右中間への二塁打を放つと、もう止まらない。六回には右前へ、八回には中前へと安打を重ねた。全打席でともした「H」のランプ。8試合連続安打中と、絶好調をキープした。
9月中旬の出来事だった。外はあいにくの天気で、練習は限られたスペースの室内練習場。そんな中で、大山が静かに声を上げた。「少し離れたところから打ってもいいですか」。通常のティー打撃から、“中距離ティー打撃”への変更を申し出た。
練習を見守った平野打撃コーチも、その姿に目を細める。「今、勇気を持って自分で考えて、貫こうとしているところだね」。春先から取り組んできたティー打撃の種類は多岐にわたり、プロ2年目のジンクス打破へ。自ら考え、取り組む姿に成長を感じていた。
9月はこれで、打率・415。「チームが勝ったので、それが一番よかったです」。あるときは福留に代わって“代役3番”で結果を残し、そして今度は今季初の4番打者として、打線を鼓舞した。試合後すぐさま球団公式インスタグラムにアップされたのは、投打のヒーロー・藤浪と大山。同級生コンビの笑顔には、充実感がにじんでいた。
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