横田、初日からフリー打撃も 脳腫瘍から1年…復活へ一歩前進
「阪神2軍春季キャンプ」(1日、安芸)
脳腫瘍からの復活を目指す阪神・横田慎太郎外野手(22)が1日、安芸キャンプ初日に一部、全体練習へ復帰した。今季から育成選手契約となったため、真新しい背番号124のユニホームを着用。室内練習場でのフリー打撃など精力的に動いた。
昨春のキャンプ中に襲われたアクシデントから約1年。横田が当面の目標となる支配下登録復帰へ向けて、一歩前進した。
キャンプ初日。練習開始から全体練習へ復帰し、野球をできる喜びを全身で表現した。「去年のこの時期は病気が分かっていたので、今日ユニホームを着て練習できたことは、とにかくうれしい。いろんな人に支えてもらったので、恩返しの気持ちしかない」。室内練習場での全体アップからエンジン全開。ランニングでは最前列を走って声を出した。
その後はキャッチボールまで通常メニューをこなした。続くノックから別メニューとなり、個別ノックやティー打撃を行った。額には大粒の汗。着替えに向かう際には、すがすがしい表情を見せた。
野手のランチタイム中は、軽めのフリー打撃も行った。ヘルメットをかぶって、トレーナーが投げる球を20分、打ち返した。全体練習終了後は、ティー打撃を“おかわり”。居残り練習を含めて約7時間、体を動かした。
矢野2軍監督は元気な姿に目を細めた。「ほっといてもやるし、行きすぎるから、こっちが引っ張らないといけないぐらい。それが横田のよさ。ファンにはもう少し待って、応援してもらえれば」。どん底からの復活を目指す教え子に、温かい眼差しを向けた。
横田は昨春キャンプ中に頭痛を訴えて、脳腫瘍と診断された。治療に専念し、昨年9月上旬に帰寮して練習復帰。鳴尾浜では別メニューで練習し、プロ5年目のキャンプインを迎えた。
「野球をできることをうれしく思いながら、一日一日レベルアップして、前だけを向いてやっていこうと思う」。一気に前進することはなくても、着実に一歩ずつ完全復活を目指していく。