阪神・香田勲男投手コーチ（５２）が１日、投手陣に「ウイニングショット習得指令」を出した。この投手はあの変化球だと、誰もが認めるボールを身に付けさせ、より高いレベルへと引き上げていく。

　キャンプ地の高知に入る直前の伊丹空港で、香田投手コーチは２度繰り返した。「そのボールが代名詞と呼ばれるようなものを。代名詞になるようなボールを」。佐々木主浩のフォーク、工藤公康のカーブ、山本昌のスクリュー…。歴代の好投手はそれぞれ抜群の威力を誇る変化球を持っていた。

　もちろん、そんな変化球は一朝一夕では習得できない。そこで、秋季キャンプではブルペンでの投げ込みを徹底させる。「４勤の時は最低３回、３勤は２回」と香田投手コーチ。球数は個々に任せる方針で、変化球の他にはリリースポイントの確認も行う。

　金本監督は投手陣に、変化球でカウントを取ることと、クイックの技術向上を注文。「各自がそれぞれ感じてくれていると思うしね」とうなずいた。今秋キャンプでは実戦も予定されている。結果は重要ではなく、挑戦が求められる。香田投手コーチは「やろうとしていることをどんどん」と各選手の貪欲な姿勢を期待した。