矢野2軍監督 ファームも“金本イズム”注入 「勝ちながら育てる」

 阪神の秋季練習が始まった24日、矢野燿大新2軍監督(48)がファームにも“金本イズム”を注入していく考えを明かした。今後は26日の秋季練習後に宮崎に移動して2軍本隊に合流し、27日のロッテとの練習試合(アイビー)から指揮を執る予定。「勝ちながら育てる」を主眼に、超変革を鳴尾浜から支える。

 淡々と冷静に語る言葉の裏に、熱い思いを秘めた。23日に来年度のコーチングスタッフが発表され、矢野作戦兼バッテリーコーチの肩書は2軍監督となった。金本監督-片岡ヘッドコーチと共に、三位一体で進める超変革3年目。所信表明はイズムの継承だった。

 「現役時代から、同じような野球観を持っていた。指導者としても同じような考えを持っている。それは2軍選手にも植え付けながらやっていけるかな」

 2軍監督に就任が決まってからも、金本監督から特別な要望はなかったという。現役で8年、コーチとして2年。東北福祉大も含めて長い歳月を共に戦ってきた。2人の間にあるのは無言の信頼、絆。指揮官も「矢野にはこの2年間経験して、だいぶ教えてもらったものがある」と感謝する。

 1軍監督、2軍監督として立場を変えて戦う来季。矢野新2軍監督は3つのテーマを掲げる。

 【(1)基準を上げていく】 育成から戦力の底上げを目指し、練習の量と質の向上を図る。新2軍監督は「当たり前の基準を上げたい」と言う。「100スイングが当たり前の人もいれば、500本やっても足らんという人もおる。今持っている当たり前のレベルを上げたい」。常に1歩…いや、半歩でも上を目指してほしい。練習に対する意識付け、考え方から徹底する。

 【(2)勝利と育成の区別】 ファームの永遠のテーマでもあるが、ここには独自の見解を示す。「今、漠然と思っているのは、分けていきたいなと。こっちから提案してやっていく」。展開に応じて1点を取る、守る野球や、勝敗を捨てて打たせる、投げさせる野球…。型にはめ込むことなく、状況に応じた戦術を披露していく。

 【(3)ファンサービス徹底】 掛布前2軍監督の後任。現役時代から意識は変わっていないが、ファンあってのプロ野球という思いは強い。「プロだからね。最終的な気持ちの中で、タイガースファンの人に喜んでもらいたいというのは、自分の中心にいつもある」。2軍監督としての“初陣”は27日のロッテとの練習試合。熱い信念で金本阪神を支える。

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