中谷20号!虎生え抜き右打者06年浜中以来 金本監督「もっと打てる」

 「阪神2-3広島」(18日、甲子園球場)

 広島にセ・リーグ連覇を許した中、若虎たちが意地の一発を見せた。2点を追う四回、中谷将大外野手(24)がセンターバックスクリーンへ反撃ソロ。七回には代打・陽川尚将内野手(26)が一時同点とするソロを放った。中谷は生え抜きの右打者としては11年ぶりの20号となった。

 真っ赤に染まる甲子園に、希望を乗せた放物線が伸びた。0-2の四回1死。中谷が広島先発・野村から、バックスクリーンに節目の一発を運んだ。生え抜き右打者では06年の浜中治(現2軍打撃コーチ)以来、11年ぶりのシーズン20号。今季の金本阪神を象徴する24歳の若武者が、王者に食らいついた。

 「追い込まれてしまったので、強引にならないことを意識して打ちにいきました。打った瞬間の感触は良かったのですが、入るとは思いませんでした」

 6日・広島戦(マツダ)以来、8試合ぶりの一撃。二回1死では中前打で出塁し、今季2つ目の盗塁も成功させた。虎は赤い大波にのまれたが、リベンジの機会は必ず訪れる。鍵を握るのは、11年の時を経て現れた大砲候補だ。金本監督はさらなる奮起を期待した。

 「20本でみんな騒いでるけど、もっと取り組む姿勢を変えれば、もっと打てると思うし。まだまだ能力は、伸びしろはあると思うし。あとは彼次第でしょう」

 課題は速い直球に振り負けず、甘い球を一発で仕留めること。打率・247とまだまだ粗削りな部分が多く、修正を図る毎日だ。それでも、20本のアーチには十分な価値がある。2軍時代の“師匠”、浜中打撃コーチも中谷の背中を押した。

 「中谷は将来の4番候補だから。大山、陽川らと競いながら頑張っていってほしいね」

 V逸に沈んでいる時間はない。再戦のチャンスは残されている。両手に残る感触を頼りに、今は前に進む。

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