「阪神２－１ＤｅＮＡ」（９日、甲子園球場）

　延長十二回の阪神のサヨナラ劇に、方程式の復活は欠かせなかった。桑原、ドリス、マテオで紡いだ８者連続奪三振。前カード広島戦３連敗の悪夢を、本拠に戻って振り払った。これが猛虎の勝ち方だ。３位・ＤｅＮＡとの対戦。価値ある熱投に、金本監督が賛辞を贈る。

　「投手陣がよく頑張ってくれた。きょうは投手力の勝利です」

　七回に追い付かれ、流れが傾いた八回。引き戻したのは桑原だ。代打・石川を空振り三振に斬ると倉本、桑原のバットも空を切った。「三振は結果なので。抑えることが全て。良かったです」。勢いよくバトンをつなぐと九回はドリスだ。

　柴田、筒香、ロペスの上位打線を３者連続三振に抑えた。前カードの広島戦。５日の初戦で１点リードの九回、守護神は安部にサヨナラ２ランを被弾した。翌６日の同戦は３点リードの八回、マテオが３失点の乱調。２戦連続のサヨナラ負けで、結果的に３連敗を喫した。守護神は言う。

　「いつも通り１アウト目を大事にした。広島戦はあれは、あれで。気持ちを切り替えて。下を見ずに、上ばかりを見てやっていく」

　８日のＤｅＮＡ戦は同点の七回から、岩崎、高橋、石崎とつないだ。「とにかく間隔を取らせようという狙いがあった」と金本監督。接戦でも、疲労が見える方程式を休ませ、この日の勝利につなげた。「休養が大事だということを、再確認しました」。球威、キレが戻った３右腕に、終盤戦の手応えを得た。

　延長十回はマテオが２者連続奪三振。梶谷に中前打を許したが、代打・後藤を空振り三振に。珍しくガッツポーズを見せた。アウトは全て三振。小野の９Ｋ、藤川の２Ｋを合わせ、計２０個の奪三振ショーだ。「チームとして苦労して勝った。つないで、つないで得た勝利だ」とマテオ。悔しさをバネに、方程式は強固になる。