金本虎、力負け…連夜のサヨナラ悪夢 逃げ切り失敗で優勝遠のく8・5差

 「広島4-3阪神」(6日、マツダスタジアム)

 敵地に吹く真っ赤な風になぎ倒された。阪神は3-3の延長十一回、2夜連続のサヨナラ負けで3連敗を喫した。3-0の八回にリリーフ陣が追いつかれ、金本知憲監督(49)は「そういう風が吹いてるね。向こうに」と王者の底力をあらためて痛感。戦いはまだ終わってない。7日こそ勝って甲子園へ帰る。

 赤い人波が揺れ、加速した勢いを止めきれない。前夜の悪夢はまだ覚めていなかった。3点のリードはあっという間になくなり、延長十一回に力尽きた。石崎が1死二塁から会沢に右越えのサヨナラ打を許してゲームセット。2夜連続となる痛恨のサヨナラ負け。金本阪神がまたも、広島の強さに屈した。

 「そうですね、ここはもう…何て言うか、もう、そういう風が吹いてるね。向こうに」

 指揮官も改めて体感した広島の底力と勢い。一気にのみ込まれたのは3点リードの八回だ。マテオがマウンドに上がると、1死から菊池の左翼への飛球を、福留が目測を誤るような形で捕りきれずに三塁打に。ムードが一変し「風向き」も変わる。そこから丸と松山に連打を浴び、2死二塁から安部に同点の右前打を許した。

 前日は、ドリスの来日初被弾でサヨナラ負けを喫した中、この日はマテオが3失点とつかまった。「自分の調子自体は悪くなかったし、うまく投げても、うまく打たれた部分もある」とマテオ。不運な当たりもあったが、自慢のリリーフ陣が崩されての力負けだ。

 「今までうちはリリーフでもってきたチームだから、そこが打たれたなら、昨日と一緒で、もうどうしようもない、仕方ないとしか言いようがない。今まで、この位置にいられるのはリリーフの貢献があったんで。一番大きいところなんで」

 信頼して送り出した以上、指揮官は右腕を責めない。そこを打ち崩してくる力の差を見せつけられた夜。「まあ、この強い風はなかなか止められない。どこのチームも」。広島はこれで、今季マツダで42勝17敗1分け。ただ、この圧倒的な強さを打ち破っていかないといけない。

 「そこを目指さないと、やっぱり。どんな逆風が吹こうとも、自分たちの勝つという気持ちは、絶対に持ってると思うし」

 ゲーム差は8・5に広がり、広島の優勝マジックも「10」。絶望的な数字が目の前に広がる。奇跡につながる3連勝を目指して挑んだ中、重い黒星を続けて背負った結末。せめてもの意地を見せ、3連戦3連敗だけは阻止したい。

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