ロジャース 援護2点適時打!金本監督も絶賛 「頼りになります」

 「阪神4-0ヤクルト」(5日、京セラドーム大阪)

 確かな手応えは残っていた。心の中で「抜けてくれ」と念じた。白球が右翼・坂口のグラブをかすめていくと、息をのんで見守っていたファンの歓喜が一気に爆発した。悠然と二塁に到達した阪神・ロジャースが、2点二塁打で3連勝を呼び込んだ。

 「捕られるかなと思ったけど、抜けてくれて本当に良かった」と安どの笑みを浮かべた助っ人。2点リードの五回1死一、二塁で迎えた第3打席だった。

 フルカウントからの6球目、高めに浮いた144キロのストレートをコンパクトに逆方向へはじき返した。打球は痛烈なライナーで右翼頭上を襲い、フェンス手前で弾んだ。

 2人の走者はスタートを切っており、一気に一塁走者・福留も生還。先発・秋山にアクシデントが発生した中で懸命にバトンをつなぐリリーフ陣に大きな追加点をたたき出した。「いいところで確実にランナーをかえすというか。本当、頼りになります」と目を細めた金本監督。勝負強い4番のバットは、本人しか感じ得ない独特のフィーリングによって支えられている。

 ベンチに用意されている白と黒のバット。「感覚というか、気分次第のところが大きい」と打席に向かう前、どちらを使うか直感で決める。この日は1、2打席目が黒、2点二塁打はやや軽めの白バットで放った。くしくも愛称と同じ“パンダ模様”の相棒が、途中加入した助っ人の快進撃を生み出している。

 相手投手の情報が少ない中でも「投球練習を見て印象を(頭の中に)植え付ける」という準備を欠かさない。来日1カ月でファンから箸やキーホルダーなどのパンダグッズをプレゼントされるほど愛されている助っ人。その打棒はもはや、猛虎打線にとって絶対に欠かせない。

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