メッセ、95戦目チーム初完封でリーグトップタイ11勝目 自力Vも一夜で復活や
「阪神3-0ヤクルト」(4日、京セラドーム大阪)
阪神が一夜にして自力Vの可能性を復活させた。これぞエースの真骨頂だ。ランディ・メッセンジャー投手(35)が、9回4安打9奪三振、無失点。完投を期待した金本監督に満点回答で応えるチーム今季初完封勝利で、リーグトップタイ11勝目を挙げた。
交わした約束は守らねばならない。最後までマウンドに立ち続けると決めていた。先発・メッセンジャーが見せた男気あふれるチーム今季初完封。「いつも投げる時は完封という気持ちで投げています」。試合前に金本監督からリクエストされたのは完投。それを圧巻の0封ピッチで応えてみせた。
慌てる必要もない。唯一のピンチは五回1死一、三塁。「自分の球を信じて投げていきました」。打席に迎えた中村への初球にスクイズされたがファウルとなった。仕切り直し、カウント2-2からのカーブを振らせて空振り三振。その際、飛び出した三走・奥村を挟殺して難局を乗り越えた。
終わってみれば9回を4安打9奪三振。16年9月24日・中日戦以来、自身10度目となる完封星は、猛虎先発投手で今季初。思いを乗せたこの日の127球で、リーグトップタイ11勝目を挙げた。
チームへの思いが己を支える。この日で7試合連続となる中5日のマウンド。それでも本人は意に介さない。「自分自身、体も心もいい調整ができている」。胸にあるのは仲間、特に中継ぎ陣へのねぎらいの気持ちだ。
「休みが必要な人もいる。オレが助けてチームに貢献したい」。リリーフ陣総力戦で臨んだ前カードの広島3連戦。この日の勝利はブルペンを休ませる意味でも大きな価値のある白星となった。
お立ち台から引き揚げて来ると、気持ちよさそうな汗を滴らせ、指揮官とのやりとりを振り返った。「(試合前に金本監督から完投と)言われました。だから力強く『OK!』と」。有言実行の働きを見せた助っ人に金本監督も「広島戦でリリーフがフル回転していたので、きょうは完投してほしいと約束していまして。約束を守ってくれました」と賛辞を惜しまなかった。
数字的には確かに厳しい。されど、可能性が残る限り下は向けない。この日、首位・広島が敗れ自力優勝の可能性が復活。ここから始まるプライドと意地をぶつけていく真夏の戦い。ナイスガイな助っ人エースが、猛虎をさらに熱くする。