「交流戦、阪神４－２楽天」（１６日、甲子園球場）

　左翼目がけて伸びていく打球。阪神・福留が渾（こん）身のダイブでつかんだ。間違いなく試合の流れを引き寄せたワンプレー。福留が美技で先発の岩貞を救った。

　六回先頭で代打・茂木。その初球。岩貞が投じた外角球を捉えられた。通常の左翼手であれば安打となっていたであろう打球。福留が果敢にダイビングキャッチを試み、獲物をグラブに収めた。「たまたまグラブに入ってくれた」と謙遜したが華麗な美技で敵の反撃の芽を摘み取った。

　「サダ（岩貞）がいいピッチングをしてくれていたから」と福留。五回まで三好の一発のみに封じていた左腕の好投をバックアップした。

　試合前には、視察に訪れた楽天・星野球団副会長と談笑する場面も見られた。福留が中日入団時の監督だった同副会長は、前夜に主将が見せた執念のセーフティーバントを振り返り「３、４番に送りバントは出しにくいんだから。それを孝介は自分でやってくれる」と褒め称えていた。

　金本監督も流れを引き寄せた好守を絶賛した。「孝介がああいうプレーをするとチーム全体が締まるというか、自分たちもしっかりと守らないといけないみたいな雰囲気になりますし」。福留が走攻守で虎をけん引している。