キャンベル、志願のケース打撃で右打ち 左へ“初長打”も
「阪神春季キャンプ」(23日、宜野座)
阪神の新外国人、エリック・キャンベル内野手(29)=前メッツ=が23日、午後から行われたケース打撃に参加。右打ちのサインで内角の厳しいボールを一塁へはじき返すなど、対応力の高さを見せた。最後の打席では左中間へ“初長打”を放った助っ人は、自己犠牲の精神を持ってシーズンに臨む考えを明かした。
鮮やかなバットコントロールだった。ケース打撃の2打席目に左腕の山本が投じたクロスファイヤー。懐に飛び込んでくる難しいボールを、キャンベルは簡単に一塁へはじき返した。インサイドアウトのスイングでなければ、詰まったフライかファウルにしかならない1球。右打ちのサインを忠実に実行し、三塁走者を生還させた。
前夜の大雨がウソのようにグラウンド状態が整い、午後から行われたケース打撃。通常、外国人野手は参加しないメニューだが「実戦のボールも見たいというのがあるんじゃないかな」と金本監督はキャンベルが志願したと明かす。
1打席目、無死二塁の場面ではきっちり一塁へ進塁打を放った。2打席目は無死二、三塁想定で追い込まれながらも、一ゴロを放って走者を生還させた。無死一塁の3打席目は変化球をうまく捉えて左中間に落とす二塁打。指揮官は「右に打つのがうまいタイプ。同じ右打ちでもヒットを打ってくださいという」と冗談めかしつつ、納得の表情を浮かべた。
「バントに関しては3年間で5回くらいしかしてないけど…。右打ちは走者を進めることが大事な場面では、チームが勝つためにやっていた」と明かしたキャンベル。メジャー時代にも「自分が犠牲になって走者を進めることも必要。それがチームに必要であればやっていた」。首脳陣の指示ではなく、点差や試合展開を自分で考え、勝つために“自己犠牲”の精神を貫くこともあった。
どんな状況でも振り回す、自らの数字に執着する-。これまで日本でプレーした助っ人野手の大半からすれば、異色の存在。指揮官は「まじめな選手ですから」と評し、1、2番での起用に「さすがにないでしょう…。あったりしてね、逆に」と含みを持たせた。数字を残した上で自己犠牲の精神を持てるなら、打線の歯車は確実にいい方向へ回り出す。