【超変革を検証】大きかったマートンの穴…ゴメス不振、ヘイグは期待外れ

 最後まで、ゴメスの表情が晴れることはなかった。来日3年目、金本監督から主砲としての大きな期待をかけられていたが、応えることはできなかった。139試合で打率・255、22本塁打、79打点。最低限とも言うべき数字は残ったが、「超変革」の助っ人には物足りなかった。

 記者は、昨年に退団したマートン(現カブス傘下3Aアイオワ)の影響が大きいと考える。阪神に在籍していた6年間で1020本の安打を積み上げ、首位打者1回、最多安打は3回。ゴメスは練習中、さらに試合中も大先輩の金言に耳を傾けてきた。

 そんな存在がいなくなった今季、背番号5の存在感も日を追うごとに薄れていった。開幕直後こそ好調だったが、夏場にさしかかると急降下。7打席連続三振を喫した6月には、来日初の代打も送られた。「(マートンも)頑張っているんだから、僕も頑張らないとね」。度々メールを送り、アドバイスを求めることもあったという。しかし、上昇のきっかけはつかめなかった。

 片岡打撃コーチも「精神的に背負い込み過ぎているものがある」とメンタル面を危惧していた。今季喫した130三振はリーグワースト。積極走塁に代表されるマジメな性格が、自身を追い込む原因になったのかもしれない。荒木が練習用に使っていた極小グラブを借りてノックを受けるなど、守備力向上にも力を注いでいたのだが…。身近な相談役がいなくなったことは、大きかった。

 マートンの代役として獲得したヘイグも、希望の光とはなれなかった。31試合で打率・231、2本塁打、11打点。6月6日の2軍降格以降、存在感を示すことができず8月初旬には右肩痛を発症。一方、三塁のポジジョンが空いたことで新たに台頭してきた若虎が一人。それが北條だ。

 4月3日・DeNA戦(横浜)に代打で登場。今季初打席で、石田からプロ初本塁打を放った。以降も出場を続け、不振の鳥谷に代わり8月12日・中日戦(京セラドーム)から遊撃でスタメン出場を続けた。また、ゴメスに代わり捕手の原口が一塁で出場。外国人の予想外の不振は、新たな可能性を生み出すきっかけにもなった。

 個人的に「純国産打線」は魅力的だが、勝つためには一発長打を秘める存在も不可欠。14年は4番・ゴメス、5番・マートンが打線の軸として力を発揮し、チームを日本シリーズへ導いた。経験豊富な先輩と、教えを受けながら躍動する後輩-。助っ人の中でそんな構図ができれば、理想的なのかもしれない。

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