岩崎ミスター京セラや!初勝利から3戦3勝
「阪神8-1中日」(14日、京セラドーム大阪)
終わってみればピンチは立ち上がりだけだった。連勝の勢いをつなぐ7回1失点。阪神・岩崎優投手が3勝目をつかんだ。
試合開始直後。いきなりファンをざわつかせた。初回1死で堂上に左翼線二塁打を許すと、四球と安打で1死満塁。さらに高橋には初球から3球連続でボール。押し出し四球が目前となり、球場の空気が変わった。
マウンドでは表情を変えなかった左腕も、内心は穏やかではなかった。「3ボールになって正直、まずいと思った」。ただ、崖っぷちに追い込まれたことで開き直れた。
高橋を直球2球で追い込むと、フルカウントからの6球目も直球を選択した。外角への135キロで空振り三振。続く阿部も中飛に打ち取って、どよめきを歓声に変えた。
「初回は球数がかかったけど、何とか粘れたのでそこから乗っていけた」
リズムを取り戻すと、二回以降は見違えるような投球を披露。七回1死で近藤にソロを浴びるまで、中日打線を手玉に取った。
立て直せた要因の一つに、今季から加えた新しいルーティンがある。今春キャンプで臨時投手コーチを務めた下柳氏の助言で、イニングの合間にベンチ裏にある鏡の前でフォームをチェック。骨盤の位置を確認し、投球の乱れを最小限にとどめている。この取り組みが、初回に25球も要しながら、今季最長タイの7回を投げ抜く好投へとつながった。
京セラドームとは相性がいい。新人だった14年4月2日・中日戦では、プロ初登板初先発初勝利。初めてお立ち台に立った。「結果が出ているのでいいんでしょうね」。同球場では通算3試合で3勝、防御率1・42となった。四回1死満塁は押し出し四球でプロ初打点を記録。また一つ、同球場での思い出ができた。
今後は京セラドーム以外でも好投が期待できる。昨季は8月の月間成績が最も安定していた。5試合で3勝2敗、防御率1・24。「数字が出ているのでいいんじゃないですか。いい印象を持って残り試合を投げたい」と前向きに話した。
3位・DeNAとは3ゲーム差。「全部勝つつもりで投げている」。正念場の8月。岩崎が有言実行すれば、逆転CS進出も近づいてくる。
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