北條、値千金の適時三塁打!スタメン遊撃なら驚異勝率・857

 「阪神4-2中日」(12日、京セラドーム大阪)

 阪神が追い上げをかわし、逃げ切った。鳥谷敬内野手(35)が9試合ぶりのスタメン落ち。代わって遊撃で先発した北條史也内野手(22)が七回に適時三塁打を放ち、貴重な追加点をもたらした。北條が遊撃で先発出場した試合は打率・318。チームの勝率は驚異の・857だ。

 ダメ押しの絶好機は七回に訪れた。2死二塁。打席には北條だ。フルカウントと追い込まれながら、バルデスのスライダーをフルスイング。打球は左中間を真っ二つに破り、二走・中谷は悠々3点目のホームに生還。勝利がグッと近づいた。

 「とにかく、ストライクゾーンに来た球を振ろうと思っていました」

 8月2日・DeNA戦(横浜)以来の遊撃スタメン。プロ初の適時三塁打に加え、五回には右前打。遊撃の守備では、安定感のあるフィールディングで試合の流れをつくった。22歳の存在が、上昇を目指すチームにも変化をもたらしている。

 遊撃でスタメン出場した試合は22打数7安打、打率・318と高アベレージをマーク。さらに、チーム打率・307と打線全体もつながる。極めつけは、勝利への高い確率だ。ここまで6勝1敗、勝率・857。不振の鳥谷の穴を埋める活躍どころか、それ以上の働きを見せている。

 金本監督は「チーム内でトリ(鳥谷)が抜けたから余計に負けられないというものが、もしかしたら選手の間であるかもしれない」と現状を分析する。北條はプロ入り後これまで「鳥谷超え」を目指し、2軍で地道に努力をしてきた一人。強い思いが、自らの心技体を成長させている。

 昨春の1軍キャンプ。初参加となった当時3年目の北條は、目の前でノックを受ける鳥谷の動きを目の当たりにし、驚くしかなかった。オフに80キロまで体重を増やし、初の宜野座キャンプへ挑んだが「体が重くて、初日から全然動けなかった」。ゴールデングラブ賞4度の名手の軽快な身のこなしに、自身の力のなさを痛感した。

 「『もう同じことは繰り返さないようにしよう』と。それがその年だったと思います」

 栄養士に一から食事の取り方を学び、筋トレによる体重増に励んだ。鎌田2軍トレーナーは「積極性が他の選手と違った。いつも、食堂に最後まで残っていたのは北條だった」と当時を振り替える。2度目の1軍キャンプ参加となった今春。筋肉の鎧(よろい)を備えた79キロの新ボディーが、現在の活躍を支えている。

 「(遊撃は)高校からずっとやっているポジションなので、思い切ってやっていこうと。それだけですね」

 金本監督は「左(投手)が続くからね」と13日の相手先発・ジョーダンに対し、今季左投手の対戦打率・151と苦戦する鳥谷を2試合続けて先発から外すことを示唆。遊撃レギュラーへの道は険しい。だが、北條は着実に一歩ずつ前へ進んでいる。

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