岩貞67日ぶり勝った!“K腕”復活、毎回の11K

 「DeNA2-6阪神」(2日、横浜スタジアム)

 待ちわびた白星だ。2-2の九回、打線が勝ち越し、ようやく阪神・岩貞祐太投手に笑顔が広がった。5月27日・巨人戦(東京ドーム)以来、実に8試合ぶりとなる5勝目。試合後の言葉にも感慨がこもった。

 「長かったです。久々で…。チームにずっと迷惑を掛けていたので、連戦の最初に勝てて良かったです」

 二回、先制点を失うなど31球を要したが、8回7安打2失点。「スライダーが良かった」と投球の軸にし、4月16日・中日戦以来の2桁11奪三振もマークした。

 勝因は代打・後藤のソロで2-2に追いつかれた八回だ。さらに2死一、三塁のピンチを背負い、4番・筒香を迎えた。ベンチからの指示は「次のバッターのことを考えて、四球でもいい」(香田投手コーチ)。左腕は「全力で腕を振ろう」と原点を思い返した。

 144キロの直球はやや中に入ったが、打球は二塁寄りに守っていた遊撃・鳥谷の元へ。「腕を振っていけたから、野手の正面に飛んだと思う」。球場の歓声は一瞬にしてため息に変わった。

 白星から遠ざかる中でも、貪欲な姿勢は失わなかった。今季17試合中、3度が広島・黒田との投げ合い。勝利こそ手にできていないが、レジェンド右腕の投球術は最高のお手本だという。

 「テンポの強弱ですね。ここは時間を掛けているなとか、ここはテンポアップしてるなとか」。気づけば、相手主導のテンポで投げさせられていることもあるが、「意識的にゆっくり投げたり、けん制を多く入れたり工夫した」。1年間ローテを守るのは今年が初めて。一流から学び、一戦一戦を成長の糧としてきた。

 「いいピッチングをして勝ち星が付かないのはこっちも気になるし。立ち直ってきている、上がり調子になってきている。次もまた楽しみですね」

 シーズン序盤をほうふつとさせる投球に、金本監督はホッと胸をなで下ろした。岩貞も「春先に近いボールになってきてるのかなと思う」と手応え。学生時代を過ごした第2の故郷・横浜で、左腕が復活ののろしを上げた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

タイガース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス