高山、甲子園1号 97日ぶりのプロ3号「その中で一番うれしい」
「阪神8-2中日」(30日、甲子園球場)
万雷の拍手が聖地に降り注ぐ。最高の瞬間をかみしめるように、阪神・高山はダイヤモンドを回った。4月24日・広島戦(マツダ)以来、97日ぶりの一発はプロ初の甲子園弾。「うれしかったですね。3本目ですけど、その中で一番うれしいですね」。ウル虎イエローに染まったスタンドが、記念の一撃を彩った。
2-0で迎えた五回の先頭。吉見のスライダーを完璧に捉えた。打球は逆風の中を突き進み、右翼席へ着弾。今季3号、日大三で全国制覇を果たした高3夏の甲子園以来のホームランだ。「打った瞬間いったと思いました」と会心の当たりだった。
六回1死一塁では2番手・山井から詰まりながらも右前打。4試合連続安打と好調を維持し、7月の月間打率は・379と確実に上昇カーブを描く。「(ポイントを)前で、軸回転で打つことを実戦でできました。これを生かしていかないと」。首脳陣からの教えを甲子園で体現できた。
片岡打撃コーチは「ヤクルト戦(26日)から引っ張った打球が上がるようになってきた。高山らしい、いい時に戻ってきたというか状態は上がってきている」と話す。それでも、高山に慢心はない。
「福留さんは全力疾走で三塁を取りにいっていましたし、見習っていかないといけない。もっと若い選手が、そういうところを出していきたいです」
福留のサイクル安打に、黄金ルーキーは刺激を受けていた。目指すべきものはもっと高いところにある。この大甲子園での一発を、必ず成長につなげる。