阪神・高山、西岡さんの分まで 1番に入り8度目猛打ショー

 「広島4-2阪神」(22日、マツダスタジアム)

 若虎の奮闘が一筋の光明だ。阪神は高山俊外野手(23)が球団の新人単独2位となる今季8度目の3安打猛打賞をマーク。アキレス腱断裂で離脱した西岡に代わって1番に入り役割を果たした。ただ、先発の藤浪晋太郎投手(22)が6回9安打4失点と崩れ、後半戦4戦全敗で今季2度目の4連敗。きょうこそ黒田を攻略して勝利する。

 ルーキーには期する思いがあった。20日・巨人戦(甲子園)で左アキレス腱断裂の大けがを負った西岡に代わり、2日・中日戦(ナゴヤドーム)以来の1番に座った高山。真っ赤に染まる敵地で奏でた3本のヒットが、敗戦の中で光輝いた。

 「(西岡)剛さんがああいうことになってしまって、その代わりと言ったらなんですけど、使ってもらったと思うので。自分が『なんとかしないと』という気持ちでした」

 初回、母校・明大の先輩である野村から中前打で出塁し、三回2死は内角球を強引に引っ張り込む右前打。1-4で迎えた七回2死一、三塁は2番手・ヘーゲンズの内角143キロを、腰を引きながら右手でさばき、左前へとはじき返した。

 「技術どうこうよりチャンスの場面だったので、1点を取らないとどうしようもない。それだけです」

 ヒットメーカーらしい、巧みなバットコントロールで放った適時打。これでチーム最多、今季8度目の猛打賞。球団新人では80年の岡田彰布、97年の今岡誠、01年の赤星憲広を抜いて2位となった。

 オールスターを挟み、7月の月間成績は34打数16安打、打率・471と絶好調。19打数10安打、打率・526と抜群の相性を誇るマツダスタジアムが、背番号9の背中を後押しする。6月の交流戦は打率・204と苦しんだが、底は抜けた。浜中打撃コーチは、覚醒の兆しを感じている。

 「とにかくバットを振り過ぎていたから。力を入れ過ぎて、振り切った後に顔が一塁ベンチ側を向いていたからね。軽く当てる感じで、しっかりミートすることが大事。今はリラックスして打席に入れてると思うよ。そこが一番大きいね」

 7月11日、長野遠征の夜だった。西岡らと共に、街に出掛けた。おいしい食事に舌鼓を打ちながら、「勝ちたい」と語り続ける先輩の真意を感じ取り、向上心がかき立てられた。野球人として、あるべき姿を再確認した。後輩に自分の思いを伝えた西岡は以前、こんなことを言っていた。

 「若い子というのは、靴ひもをきつく結んでいると思うんですよね。僕は、そういうところのひもをほどいてあげたいんですよね」

 チームは今季2度目の4連敗で、借金はワーストの14。広島戦は、5月22日から8連敗と完膚無きまでやられている。「(この日の3安打は)勝ちにつながっていないので。満足はできないですね」。勝利への執念こそ、先輩に教えられた野球人として最も大切なこと。胸にこみ上げる悔しさを糧に、新リードオフマンは前に進む。

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