メッセ笑えぬ1000K 無援完投負け

 「巨人2-1阪神」(29日、東京ドーム)

 節目の記録を勝利で飾ることはできなかった。1点ビハインドの八回裏もマウンドには阪神・メッセンジャーがいた。2死一塁、亀井からフォークでこの日7個目の三振を奪った。これが日本通算1000奪三振。敵地で記念の花束を受け取った右腕に笑顔はなかった。

 2失点8回完投も報われなかった。試合後、記録達成を祝福されての第一声は「サンクス」だったが、すぐに「ホロ苦いです…」と肩を落とした。最も悔しさをにじませたのが三回の被弾だ。坂本には今季3発目で「フォークが浮いてしまった。3本のうち2本が変化球。今日はその唯一の失投が悔しいです」と唇をかみ締めた。

 それでも1000奪三振が誇れる数字であることは間違いない。史上145人目で外国人では郭源治、郭泰源に次いで3人目の快挙。日本球界で長く活躍している証明でもある。

 初奪三振も伝統の一戦だった。10年4月8日・巨人戦(甲子園)、打者は現監督の高橋由伸だった。「最初の三振がジャイアンツからで1000個目もジャイアンツ相手というのはとても信じられないね」と感慨深げだ。

 来日直後は中継ぎからスタートし、1年目途中から先発転向。チーム事情で中4日、中5日も辞さず、奪三振の数を積み上げてきた。「まさかこんなに長くいるとも、たくさん三振を取れるとも思っていなかったよ」とようやく笑顔を見せた。

 今のメッセが欲しているのは三振よりも白星だ。完投負けは13年9月以来、自身3度目。今季は4勝目を挙げた5月5日・中日戦(ナゴヤドーム)を最後に3連敗でついに4勝4敗のタイになった。

 金本監督は「今日はメッセを見殺しという感じかな」と援護に恵まれなかった右腕をかばいながらも「岩貞がカバーしてくれているけど、やっぱりメッセ、藤浪がね」と従来の柱2本の奮起を促す。

 「長いイニングを投げさせてもらっても、チームに勝ちがつかず、自分には負けがつく。そこが野球の難しいところ」と言い聞かせるメッセ。気持ちを切り替え、次戦こそ勝利を呼ぶ投球でチームと自身に弾みをつける。

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