大和がV撃!阪神5点差大逆転で貯金1

 「阪神7-6DeNA」(1日、甲子園球場)

 今季最多の4万6605人の大観衆で埋まった甲子園が熱狂した。阪神は1-6の劣勢から七回に同点に追いつき、八回に大和外野手(28)が右前へ決勝打を放った。若手の働きが目立つ中、存在をアピールした“中堅”。この日は守備ではなく、打撃で勝利に貢献した。チームは大逆転劇で貯金1。5月を白星でスタートした。

 最後に決めたのは、今季11年目を迎えた大和だった。6-6の八回2死一、三塁。須田の直球を見事に逆方向へ運び、決勝の右前打となった。低調な打撃で苦しむ猛虎にとって、上昇の弾みとなる貴重な一打。「大和コール」が鳴り響く甲子園で、背番号0がとびきりの輝きを放った。

 「追い込まれていたので、なんとかバットに当てようと思っていました。見逃し三振だけは良くないなと。思いっきりいけたのが良かったと思います」

 初回1死は山口から一、二塁間を破る右前打を放ち、三回1死二塁は左翼の前に落ちるラッキーなヒット(記録は二塁打)。4試合連続安打を継続中で、この日は4月22日・広島戦(マツダ)以来となる猛打賞。出場25試合で打率・318と好調を維持している。

 「いつかはチャンスが来ると思ってやっていますし、そのための準備をいつもしているので。結果さえ出せば試合に出られる。そういう気持ちを切らさずにやっていますね」

 今年も熊本市内での自主トレから1年がスタート。森越を加え、今まで本格的に取り組んでこなかったウエートトレーニングに力を入れた。全ては、課題である打撃力向上のためだ。昨年の秋季キャンプで金本監督から「引っ張る意識」を伝授され、「引っ張ること」が自身の長所であると改めて認識。指揮官の言葉を念頭に、バットを振り込んできた。

 4月14日、熊本を大地震が襲う。惨事は突然だった。大和はスマートフォンを取り、すぐ自主トレ先に連絡した。ケガはないか、施設内の被害は、心は痛んでいないか…。親身になって言葉を交わすことで、逆に元気をもらうこともあった。「今はだいぶ落ち着いてきているみたいですね」。被災地で苦しむ方々へ最高のプレーを-。そんな思いが、大和の全力疾走には込められている。

 だから、前を向いて白球を追いかける。金本監督は「土壇場の集中力というのを持っている。ここ一番で(力を)発揮するのが打者としての価値だから」と、この日の決勝打を絶賛した。試合前まで39イニング連続適時打なしと低空飛行だった猛虎打線が、11安打7得点。5月戦線は、大和の殊勲打で最高の白星スタートとなった。

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