岩貞7回0封12K!3年目ドラ1開花

 「DeNA0-5阪神」(2日、横浜スタジアム)

 期待に応えた。走者は背負えど、本塁を踏ませない。先発6番手争いを勝ち抜いたプライドが阪神・岩貞祐太投手(24)を突き動かし、チームの連敗ストッパーになった。

 「勝ててよかったです。守備がしっかり守ってくれて、梅野が何とか配球してくれた。サインを理解して思い切って投げた。自分のピッチングができて、よかった」

 そう、声を弾ませた。毎回の12三振を奪い、7回を4安打無失点で303日ぶりに味わう勝利の美酒。2桁奪三振はプロ3年目、通算12試合目の登板で初めてだった。

 険しい道を乗り越えた。初回に2死一、三塁のピンチを背負うも、梅野が二盗を刺した。四回も1死満塁とされたが、宮崎を二飛、戸柱を空振り三振に斬った。最速148キロ直球にチェンジアップ、スライダーを臆せず投じた108球に、金本監督も「勢いのある(投球を)ね。彼らしさを十分出してくれた。次が楽しみ。打たれてもいいから同じようにダイナミックに投げてほしい」と称賛を惜しまなかった。

 五回から七回まで一人の走者も許さない投球でマウンドを降りた。その様子を三塁側ベンチで香田投手コーチはじっと見つめていた。まるで、あの日を思い出すかのように…。

 昨年9月6日。ウエスタン・ソフトバンク戦の遠征で福岡・雁ノ巣にいた岩貞は、当時2軍を担当していた香田コーチと室内練習場でネットスローに励んでいた。狙いはフォーム矯正。それまでは斜めに出ていた右足の位置を本塁方向へ真っすぐ出すようにして、制球の改善を目指した。

 「サダはいいものを持っているから。頑張ってほしいよ」

 香田コーチの期待に応えて、みやざき・フェニックスリーグ、台湾でのウインターリーグと好投を続けた。今春キャンプは左肩の張りで調整が遅れたが、しっかりと実戦で結果を出して、先発6番手に滑り込んだ。この日与えた四球は1つ。成長の跡を示し、香田コーチも「七回行ってくれれば十分」と目を細めた。

 「これからもどんどん向かっていく姿勢を出して攻めていきたい」と左腕。強気の投球を継続し、勝ち星をさらに積み重ねる。

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