ドラ1高山イケる「攻撃的2番打者」

 「オープン戦、阪神2-4西武」(8日、甲子園)

 これぞ攻撃的2番だ。阪神のドラフト1位・高山俊外野手(22)=明大=がオープン戦初の2番で先発出場。初回1死、内角球を右手一本でさばく技ありの一打で一塁線を破る二塁打。先制点への起点となった。「打つ2番」を理想に掲げる金本監督にとって、選択肢に加わりそうな「2番・高山」だ。

 もはや勢いだけではない。実力を伴った黄金ルーキーがまた打った。一回1死の第1打席。カウント0-2から西武・野上が投じた3球目。内角132キロカットボールを巧みに腕をたたんで振り抜いた。鋭い打球で一塁線を破り、オープン戦初長打を記録した。

 追い込まれてから最後は右手一本で運んだ。結果には一喜一憂しない高山が「あれはよかったんじゃないですか」と珍しく自画自賛。金本監督も「アクロバットに打っとったね」と技ありの一打に感心した。

 オープン戦5試合目にして初めて2番で起用された。金本監督が目指す野球に「2番=バント」の概念はない。無死一塁で回る確率は低いと分析し、「チャンスを広げる2番。チャンスメークをする2番。下位からチャンスでくれば(走者を)かえす2番。2番目に塁に出る確率が高い人」と「打つ2番」を理想に掲げる。

 高山を2番で起用したことについては「特に意図はない」(同監督)とのことだが、印象には残ったはず。「打順が変わったからといって、自分の打撃が変わることは望まれていないと思う」と高山。東京六大学のリーグ通算安打記録を48年ぶりに塗り替えた明大時代は主に1番、3番だったが、4年秋には2番も経験。攻撃型2番に違和感はない。

 この日の初回は1番・西岡が凡退後、高山が二塁打。続く鳥谷の適時打で生還とズバリはまった。片岡打撃コーチも「(1死から2番が)長打で出て先制する。非常に理想的」と手応えを口にした。

 ただし、残る3打席は凡退。八回の最終打席は藤原の内角スライダーに体勢を崩され、中途半端なスイングで三振。「初球から積極的に打ちにいっていれば結果は変わったかもしれない」と反省を忘れない。

 オープン戦は5試合連続安打、日大三高時代からの聖地での連続試合安打は14に更新。冷静な自己分析の中で「ヒットが出るのはいいこと」と納得の表情も見せた。期待に応えて「2番・高山」の可能性を大いに感じさせた。万能な虎の背番号9は、甲子園の申し子であると同時に金本野球の申し子でもある。

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