金本監督、ゴメスに41発指令
「阪神春季キャンプ」(17日、宜野座)
阪神のマウロ・ゴメス内野手(31)が、金本知憲監督(47)からシーズン「41発指令」を出された。05年、指揮官は自身最多の40本塁打を放ちリーグ優勝に貢献。16年、新生・金本阪神の主砲を担うドミニカンは“アニキ超え”を果たし、11年ぶりのリーグ優勝を導く。軸足に体重をかける新打法を習得し、ノルマをクリアする。
宜野座の青空の下、ゴメスは「新打法」の習得に着手した。ランチ特打終了後に金本監督、オマリー打撃コーチ補佐が主砲に歩み寄る。約15分間の青空教室で、改造計画の内容を確認した。シーズン41本塁打-。指揮官からのノルマは簡単ではない。だが、覚醒しなければ「優勝」へと導くことはできない。
重要なポイントは軸足の右足に体重を乗せること。前に突っ込むことを抑え、軸足に体重を残したまま腰を素早く回転させる。
「今までと違う打ち方をしていますけど、スイングスピードは上がっていると思います。(会得に)時間はかかるかもしれませんが、続けていきたいです」と前向きに捉えている。
直前のランチ特打では、60スイングで15本の柵越えを披露。指揮官からの減量指令を受け、今オフは6キロの減量に成功。第2クールの計測でリバウンドが発覚したようだが、体のキレは抜群だ。
昨季からバットを少し軽くし、スイングを試行錯誤するなど工夫も凝らす。「いいキャンプが過ごせているよ」。充実の表情で汗を流す助っ人を見ながら、金本アニキは思う。昨季の17本塁打では、物足りなさすぎる。
「そりゃ、ボク超えでしょ!41本!右バッターで(甲子園では風が)フォローなんだから、そこは軽くね…」
05年、阪神の4番として自己最多の40本塁打を放ち、リーグ優勝に貢献した。ゴメスに求めるのは当時、自身が記録した数字を上回ることだ。11日の第3クールから本格的に始めた打撃指導にも熱がこもる。
「のみ込みが早いよね。すぐにフリー打撃で(教えたことが)出るよ。また元に戻ってしまうけど、その繰り返しだよね。染み込ませないといけない。バッティングが変わる可能性がある」
背番号5には、まだまだ伸びしろがある。ゴメスは「チームの勝利に貢献して、優勝したいです」と主砲としての自覚を胸に、3年目のシーズンを戦う覚悟を決めた。“アニキ超え”の先にあるのは11年ぶりの戴冠。南国・沖縄で新生阪神の4番はひたすらにバットを振り続けている。