金本氏に次回交渉で「大改革」託す

 阪神が来季新監督として1日に就任要請した金本知憲氏(47)との交渉内容が6日、明らかになった。組閣、編成、条件面は実質的にすべて未交渉であることが判明。次回要請で球団は電鉄本社を含む全社を挙げた熱意を金本氏に伝え、全面バックアップを約束する。鉄人に猛虎の「大改革」を託す次回交渉は近日中に行われる。

 新監督要請の交渉はこれから本番を迎える。1日に兵庫県内のホテルで行われた初回交渉の中身がこの日、判明した。球団幹部によれば同日は金本氏に阪神側の熱意、誠意を伝えることに時間が費やされ、組閣、編成面については「一切、話は出なかった」。具体的な条件面の交渉にも至らなかったという。

 ドラフトなどの補強戦略、コーチ人事など新体制を見据えれば球団の理想は早期決着。長期化すれば焦りも出てくるだろう。だが、電鉄本社を含め、全社を挙げて金本氏に再建を託すからこそ、結論を急がせず、実質的な交渉ごとをあえて2回目以降に先送りにしたようだ。

 コーチ、監督経験のない金本氏が球界随一の伝統球団、しかも、10年間も優勝から遠ざかる停滞期のチームを預かれば、それだけで相当な負担になることは目に見えている。外国人依存の体質、育成面の行き詰まり…山積する諸問題の解決を新人監督が担う重荷は球団側も理解する。だからこそ、球団幹部は「そういう負担をすべて共有し、金本新監督を全面的にバックアップする体制を整えるつもりです」と話す。

 初交渉のテーブルで金本氏は阪神の再建を「改革」という言葉に置き換えたという。同氏はかつて親しい知人に「指導者経験のない自分が阪神の監督を務めるなんて荷が重すぎる」と漏らしたことがある。阪神サイドはまず、その種の「不安」を取りのぞけるよう、一蓮托生(いちれんたくしょう)で「改革」に乗り出す協力体制を打ち出したようだ。

 近日中に2回目の交渉が行われる。同席上で初めて組閣、編成面など具体的な議論に発展する可能性はある。ただ、金本氏に近い関係者によれば、同氏は監督就任を前提に交渉に臨んでいなかったため、組閣の私案を温めていたわけでもなく、今後受諾に前向きになれば、球団案を尊重したうえでゼロからの意見交換になるという。

 実質的な本格交渉がいよいよ始まる。金本新監督の誕生なるか-。球団は完全バックアップという最大限の誠意を準備し、再アタックに臨む。

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