“セキ別”の神通力!幸運サヨナラ星

 「阪神4‐3DeNA」(29日、甲子園球場)

 阪神が12連戦の最終戦で今季9度目のサヨナラ勝ちを収めた。3‐3の九回、振り逃げ、相手の失策が絡んで無死一、三塁とすると、捕逸で勝ち越し点が転がり込んだ。再び貯金を1とし、2位に望みをつないだ。

 白球が黒土に落ちると同時に、江越は走りだしていた。ラッキーが3つ重なった九回の攻撃。ルーキーの積極果敢な走塁がサヨナラの勝利を呼び込んだ。

 3‐3の九回。江越は先頭の打席に立つ。3球三振のはずが…三上のスライダーがワンバウンドとなり振り逃げで出塁した。

 続く俊介は投前へ犠打を転がす。ここで2つ目の幸運が舞い降りる。三上のやや低い一塁送球を、一塁ロペスがまさかの落球。背中越しで起こった失策にも、江越は瞬時にスタートを切った。三塁を陥れ、無死一、三塁の好機を生み出した。

 試合後、白い歯を見せることはなかった本人に代わって首脳陣が賛辞の言葉を並べた。

 「ナイスラン。しっかりボールの行方を見ているから、あの走塁ができる。オレの指示で動いていたら遅い」。高代作戦兼内野守備走塁コーチが感心してうなずくと、平田ヘッドコーチも「江越の走塁が見事やったね。判断力、隙をついていってくれた」と目を細めた。

 幕切れも衝撃的だ。代打・関本の4球目を嶺井が後逸。サヨナラのホームを踏んだ江越にチームメートから、歓喜のウオーターシャワーが浴びせられた。

 負ければ2位が消滅していた試合。CS本拠地開催へ、執念で今季70勝目をもぎ取り、この日試合がなかった2位巨人には2ゲーム差とした。

 首位ヤクルトが敗れ、最短優勝は10月1日(神宮)。和田監督は目前での胴上げ阻止を約束した。

 「次の神宮で何とか目の前で胴上げを見ないように、全員でもう一回しっかり戦っていきます」

 12連戦は4勝8敗と大きく負け越したが、甲子園に戻り、連勝で締めた。残り2試合。最後までファイティングポーズは崩さない。

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