サヨナラ絶望4差…訃報に和田監督絶句

 「巨人3-2阪神」(23日、東京ドーム) 

 中村GMに勝利を届けることはできなかった。阪神は2-2の九回に呉昇桓投手(33)が痛打を浴びて今季8度目のサヨナラ負け。首位ヤクルトとのゲーム差は4に広がり、10年ぶりのリーグ優勝は極めて困難な状況に追い込まれた。

 視線の先に、オレンジ色の人波が揺れていた。この日も六甲おろしは聞こえない。執念の同点劇も実らずサヨナラ負け。ただ、阪神がそれ以上の衝撃に襲われた。敗戦直後に聞かされた中村GMの訃報。和田監督は言葉をつまらせた。

 「今聞いたところで、気持ちの整理が付いていない。受け止められない…」

 訃報を聞かされた直後、ベンチ裏で行われた会見。うつむき、懸命に声を絞り出した。その後は、重い表情でバスへ乗り込んだ。

 予期せぬ悲報。試合前に把握していたわけではないが、勝たないといけない一戦だった。勝負手は八回。1点を追う劣勢で呉昇桓を投入した。八回は3人で抑えたが同点に追い付いた直後の九回。安打と犠打で1死二塁となり、寺内に中堅へのサヨナラ打で屈した。

 呉昇桓にとって15日・中日戦以来の登板で3敗目。これでチームは、18敗した00年以来15年ぶりの巨人戦で16敗目。また、今季の東京ドームは2勝止まりで2勝以下は90年、12年に次ぐ3度目の屈辱だ。

 「チーム全員が負けられないという気持ちで、追い付いてひっくり返すという思いだった」と和田監督。打線では2日・広島戦以来となる3番から福留、ゴメス、マートンの並びに変更。ただ、ポレダを攻略できない。九回の同点も実らず、ヤクルトと4ゲーム差という絶望的な数字だ。

 敗戦から約4時間30分後、指揮官は広報を通じ、改めて中村GMへの思いを明かした。

 「まだ事実を受け止められませんが、残り試合で一つでも多く勝つことがGMの供養になると思いますので、最後まで全力を尽くします。GMはこれからも我々と一緒に戦ってくれると思います。心よりご冥福をお祈り申し上げます」。志半ばの中村GMのためにも、諦めることなく戦い続けるだけだ。

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