良太V弾!9戦ぶり一発で大野退治
「阪神3-0中日」(15日、甲子園球場)
大歓声を背に悠然と走る勝者。マウンドで座り込む敗者。両者のコントラストが、一発の意味を物語っていた。阪神・新井良が決勝弾。天敵・大野を一振りで仕留め、連敗を止めた。
二回無死一塁。初球、真ん中低めのツーシームを豪快にすくい上げた。「狙っていなかった。チームの方針も積極的にいくというのがあったし、自分のスイングをしようと思った」。
打球は長い滞空時間を経て、中堅フェンスを越えた。8月19日・巨人戦以来、自身13試合ぶりの4号2ラン。チームにとっては、3日の広島戦で福留が放ったソロ以来9試合ぶりの本塁打だった。
この試合まで大野に対して0勝3敗、対戦防御率0・69。藤浪との投げ合いでロースコアが予想されていた。序盤に風穴を開け、チームを後押ししたフルスイング。和田監督の心も揺さぶった。
「このところ点が取れていない中で流れを変える一発になった。ああいうスイングをわれわれも、ファンの皆さんも見たい。思い切りのいいスイングだった」と指揮官は賛辞を惜しまなかった。
プロ10年目の今季は、もどかしい日々が続いた。8月上旬まで打率1割台。元気が売りの男が、関係者に「絶不調です…」と漏らしたこともあった。それでもチームが優勝へ突き進む中、うつむいてはいられなかった。
優勝争いの中で負傷離脱した狩野、上本への思いもある。「2人の気持ちを持って常々やっている」。仲間の無念さを推し量ると、成績など気にしていられない。どうやって勝利に貢献するか。それしか考えていない。
「今まで以上に気持ちを入れて、みんなで熱く戦っていきたい」。もう立ち止まらない。チームに欠かせぬ元気印がリーグ制覇へ、力強くけん引する。
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